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2009年11月 9日 (月)

清里・09年秋

3泊4日という束の間だったが、久し振りに清里の山荘に行ってきた。冷たい秋雨前線が通り過ぎた後だったので寒かったけれども、全日快晴で気持ちが良かった。
出発した日の晩から翌日の朝にかけてはこの秋一番の冷え込みになると聞いていたから覚悟はしていたが、横浜を出たときはまだ十数度あった気温が山に近づくにしたがってどんどん下がり、長坂インターを下りたときには7°、通称“黄色い橋”(八ヶ岳高原大橋)を渡るころには3°になり、山荘に着いたときには、まだ夕方の6時前だったにもかかわらずジャスト0°まで下がった。ウウ...予想していたとはいえ、やはり骨身にこたえた。

往路は、休日の反対方向だったのでまったく渋滞なし。ならば...ということで、いつもは立ち寄る談合坂SAをパスして一気に釈迦堂PAまで走った。甲府盆地を見下ろせる辺りまで行くと、その日は雲一つない晴天のお蔭で、普段はなかなか勢ぞろいでは姿を見せない富士・南アルプス・八ヶ岳・奥秩父連峰が一望のもとに。
前日まで雨だったので全山冠雪かと思っていたら、あにはからんや、白く化粧していたのは富士山と北岳のみで、甲斐駒も赤岳も金峰山もスッピンのままなのは意外だった。でも11月ともなると、さすがに季節は足早に進んでいるようで、山々の紅葉・黄葉はまだ残ってはいるもののすでに盛りを過ぎた様子。何となく輝きを失いつつあるように見えた。

山荘のモミジ我が山荘のモミジも、どうかな?と心配だったが、清里の森まで上がってからでも、管理センター付近やもっと上のお宅の庭々の樹に、けっこうまだ赤く色づいた葉が残っており、これなら多分...と、期待を持たせてくれた。
果たして、どうだったか? 到着して荷物下ろしもそこそこに、取るものもとりあえず裏庭に回ると...嬉しいことにバッチリだった。もはや辺りは少し薄暗くはなっていたが、シッカリと紅く色づいているのが確認できた。


すぐに夜の帳が下りてきたので、シモフリシメジ探しは翌朝までおあずけ。気温はますます下がるばかりで、暖炉を焚き床暖房を高温にしても室内はなかなか暖まらなかった。永い間留守にしていたから無理もないのだが。
二階の寝室には、電気ストーブくらいしか暖房器具を置いていないので、晩秋になると布団乾燥機を使って寝具を温めるのを常としている。そうしておいて、風呂で温まった身体が冷えないうちに潜り込まないと、なかなか寝付けないからだ。窓ガラスはすべて二重なのだが雨戸がなく、あとはカーテンで遮蔽しているだけなので、こんな晩には毛布と掛け布団を肩口まで引き上げていないと、寒気が容赦なく忍び寄ってくる。

それでも、いつしか夢の世界へと誘われ...目が覚めたときには天窓のロールスクリーンの隙間から真っ青な空が見えて、東に面した窓のカーテンを開けると、まばゆいばかりの朝日が差し込んできた。下の部屋ではムッシュが“ヮッワッ!”(目が覚めたヨーッ!)と啼いているので早速朝の散歩に連れ出すと、外気は確かにかなり冷たかった(あとで管理センターに聞いたらその朝はマイナス5°まで下がったそうだ)が、幸い風もなかったので、体感的にはそれほど厳しいとは思わなかった。
戻って、できたら朝食の味噌汁の実にと、いつもシモフリシメジが生えるコブシの樹の周辺を丹念にチェックしたが、そうは上手く行くわけがない。残念ながら影もかたちもなし。チョッと遅かったようだ。あるいはもしかしたら、今年は全体にキノコが不作だったらしいから、9月初めのハナイグチもそうだったように出ず終いだったのかも知れない。

モミジの絨毯 庭のモミジは、明るくなったところで改めてよく見ると、もう六分通り散り落ちて地上に紅い絨毯を敷き詰めていたが、残り四分でも、降り注ぐ陽光に照り映えて十分に紅く、庭から家の方に向かって見上げても、2階の窓から見下ろしても、期待を裏切らないだけの見ごたえはあった。
ご近所を見ても、右隣りも左隣りもお向かいも、紅く散り残っているのはモミジばかりで、シーズンならきれいに黄葉しているはずの他の広葉樹はどれも、すでにすっかり葉が落ちて、やはりもう冬がそこまで迫っていることを実感させられた。

3日目の散歩のときに、一軒置いたお隣のIさん宅の前を通ったら、ご主人が前庭に出て何か仕事をしておられた。昨年秋から1年ぶりの出会いだったので足を止めて話し込んでいたら、屋内から奥さんも、愛犬のジョニー君(ヨーキーとミニチュアシュナウザーのミックス)を連れて出て来られ、ムッシュも大喜びだった。
近所にはそれまでどなたも見えていなかったので、我が家一同は寂しい思いをしていたが、これで何かホッと人心地がついたような気がした。

でも、人っ気もまばらなオフシーズンの清里というのも悪くはない。夏の盛りと違って、どこかへ食事に出かけても、満席だったり待たされたりすることもないので、ゆったりとした気持ちで、その店本来の良さを楽しむことができるからだ。
小食癖がすっかり身についてしまい、ハットウォルデンのランチコースでは重過ぎるような気がして、今回は藤乃家へ蕎麦を食べに。11月ともなるとさすがに、見えているのはジモティと思しき方々ばかりで、駐車場も店内もガラ空きだった。冷え込んだ身体を中から温めようと汁蕎麦を頼んだが、濃からず薄からずの程よい味加減で、野暮だし決して身体には良くないと知りつつも、思わずかなりの汁をゴックンしてしまった。この店は、盛り蕎麦が本命だが、掛け蕎麦もかなりイケる。

藤乃家の行き帰りに、もう遅いだろうとは思いつつも念のために紅葉スポットをチェック。行きは森から少し上って、山岳道路の川俣東沢渓谷に架かる通称“赤い橋”(東沢大橋)を通ったが、残念ながらここはもう終わっていた。しかし、その道から大泉駅・五町田方面に下る坂の両側はちょうど見ごろで、帰りに通った黄色い橋から眺めた川俣川渓谷も、赤い橋より少し標高が低いだけなのに、まだまだいい色だった。
地元野菜を買おうかと、その足で管理センターに寄ったら、いつも何かと親身になってもらっているAさんがいたので、しばらく冬支度について雑談。今年の清里はどうやら例年より寒気の到来が早まっているらしく、この分では我が山荘も、いつもより少し早めにクローズする必要がありそうだ。

横浜に帰る前夜は、持ってきた文庫本もすべて読み終えてしまったので、眠りに就くまでのしばらくの間、目を閉じたままこの数日を振り返った。短期間だったが一日一日の時間がゆったりと流れて、何だかずいぶんノンビリできたナと。
多分、あえて普段の仕事を何も持ち込まなかったのが良かったのだろうが、実はパソコンがそばになくて軽いフラストレーションを起こしていたのもまた事実。まだまだ精神修養が足りない。

次回で今年は最後にするつもりだが、クローズの際は間際まで何かと作業があってバタバタし、ムッシュにも目が行き届かなくなりそうなので、可哀そうだけれども彼は、1日~2日、近所のクリニックに預かってもらおうと思っている。

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