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2009年10月 5日 (月)

単純な気分転換

実はつい数日前まで、何をするにもどうも気分が盛り上がらず、ものごとを一向に進められないままダラダラしていた。いわゆるヤル気が起きないという状態が1ヵ月近くも続いた。その前までは、チョッとくらいエンジンのかかりが悪いと思うことがあっても、先ずはスタートすれば、いつの間にか回転ペースが上がってきたものだったが...。
毎日午前中の日課にしていたネット上の海外ビジネス情報チェックも、集中力が持続できなくて一気にこなせず、休み休みしながらやっと何とかやり終える状態だったし、原稿を書くための資料の読み込みなども、頭の芯が疲れてくるような気がしてなかなか捗らなかった。午後になると、いつの間にかコンピューターのキーボードに指をのせたまま瞼を閉じている自分に気がついてハッとしたこともしばしばで、こりゃあいよいよ、そういう齢になってしまったか...と、人知れず自嘲の思いを噛みしめていた。

元来、出歩くことや人に会うことが嫌いではない方なのだが、それも正直のところ、いささか億劫に感ずるようになっていて、電話口やメールなどで近いうちに会おうと約束していた友人や知人、仕事関係者などとのアポイントメントも、なかなか決められずにいた。行けば多分いい気分転換になるはずの山荘も、片道3時間ほどの行き帰りが結構シンドいような気がして、あまり気が進まなかった。
その間、外出といえば、顧問の仕事で3度ほど、他のビジネス用件で2度ほど都心まで出かけ、先だっての手術の病理検査結果を聞くためと診断書発行依頼に都合2度ほど隣の区にある病院まで足を運んだくらいのものだったが、それでもう一杯一杯だった。あとは、ときたま近所の書店を覗いたり歯医者に行ったりした程度で、毎日欠かさなかったムッシュとの散歩も、元気になった彼に引っ張られるようにして少し走ると、たちまち疲れを覚えて横になりたくなる始末だった。

我ながら、一体どうしてしまったのだろうと情けなく、こんな状態になるのはまだまだ早いではないか、このままでは人生の楽しみも先細りしてしまうし、本業にも差支えてくると、ノー天気な自分にしてはいつになく悩んでいたが、どうにも、心身ともにシャキッとしなかった。未だかつて経験のなかったことだった。
でもその割には、本人としてそれほど危機意識を持っていなかったのも事実。内臓諸器官に異常データが出ていたわけでもなく、原因はおおよそ見当がついていたので。以前に体験したことのある自律神経失調症などといった複雑・デリケートな問題ではなく、もっと単純な原因によるものに違いないという、本人ならではの確信があった。多分これは、基礎体力が落ちたため体内諸機能の効率が低下したことによるものだと自己判断したのだ。

いわゆる“健全な精神は健全な肉体に宿る”というヤツの逆で、ここでも度々書いているように、病気ではないが、健康でいられるギリギリのところまで痩せてしまったため、持続的に何かをしようとしたときにすぐにエネルギーが切れてしまったのだと思う。バッテリーの充電能力がなくなってきたケータイみたいなものだ。
いまは、退院後の食事制限もなくなって何を食べても構わないし、家内も心配して栄養価の高いメニューを工夫してくれているのだが、小食癖がすっかり身に付いてしまい急にモリモリとは食べられず、減ってしまった体重をなかなか取り戻せないでいる。美味しいものを腹いっぱい食べられなかった貧乏学生時代も太りたくても太れず、いまと同じくらいの体重しかなかったが、あのころはなぜか元気だけはあった。

しかし先立つものがなかったから、夏のヨット、冬のスキーなどという遊びによる発散にはトンと縁がなく、アルバイトに精を出してはその帰り途に場末の月賦(分割払い)デパートのウィンドウを覗きこみ、早く頭金を貯めて中に飾られているアイヴィー・スタイルのスーツを手に入れ、それでキメて(見せる相手もいなかったけれども)どこかの街を闊歩したいという夢を見るのがせめてもだった。
そんなことを、思い出すともなく頭の中に浮かべていた先月末のある日、郵便受けに投げ込まれていたデパートのパンフレットを何気なく手にとって眺めているうちに、フと、久し振りにジャケットでも新調しようかナという気になった。手持ちのものが、冬・夏用のごく数着を除いてはことごとくサイズ・オーバーになってしまって、どっちみち秋・春用のいわゆる合い物を求める必要があると思っていたところでもあったので。

フルタイムで働いていたころは、原則的に週末以外はスーツにネクタイという姿だったが、元来がカジュアルな人間だから、本当はジャケット&パンツという取り合わせの方が好みで、とりわけメタル・ボタンのブレザーを愛用していた。各シーズン用に、シングルもダブルも、ネービーだけでなくそれ以外の色も、いろいろ揃えていたのだが、いまでは20年以上前に購入した夏用の一着以外は、みんなブカついて着る気がしなくなってしまったので、今回また、ボディ・サイズに合わせて買い直すことにした。
“気が変わらないうちに行ってらっしゃい”という家内の声に押されて、出かけた先は玉川高島屋。ここは他のデパートとくらべてメンズの品揃えが幅広く、行けばたいがい何かしら購買意欲をそそるものが見つかり、実際これまでにもずいぶん、気に入った買いものができているから、その日も期待しながら売り場に足を向けた。

と言っても、いつもメンズのフロア全体を見て周るわけではない。重点的に立ち寄るのは、J.プレス、ポール・スチュワートなどアメリカントラッド系の2~3店と、ジョゼフ・オム、CK(カルバン・クライン)など美脚パンツが売り物の2~3店で、バーバリー、ランバン、ダンヒル、ボスなどの欧州系高級ブランド店は、参考までに覗きはするが、あまり興味を惹かれたことがない。モノも接客態度も確かに優れてはいるが、それにしても価格が余りにも高すぎると思うからだ。
今回も最初から、だいたいの心づもりはしていたが、久し振りだったこともあり、一応、ブレザー・ジャケットを置いている主な店は、あらかたチェックした。自分がイメージしていたごく基本的な紺ブレから、色・生地・縫製・ボタンの個性的なものまで、価格も数万円から十数万円まで、いろいろなものがあったが、自分が最終的に選んだのはJ.プレスのトラッドな中級品。それには当然の理由があった。

その日着ていたサマー・ジャケットがたまたまそこで何年か前に買ったものだったことも、話が弾んだきっかけにはなったが、何よりそのブレザーが、他のどの店で試着したものよりも、まるで誂えたように(形容し方が古いネ!)ピッタリのサイズで、色も完璧にイメージ通りの濃いネービー・ブルーだったからだ。
裾丈・袖丈はまったく直す必要がなく、襟周り・背中にはツレやシワ一つ出ず、その日はいていたグレーのパンツとのコントラストも悪くなくて、お世辞半分にしても“このままお召しになって帰られたらどうですか”などとお店のお姉さんに言われたほどだったが、それ以前に、自分自身ですでに大いに気に入っていた。

その日は本来、パンツを買う予定はなかったのだが、ちょっと良い気分になったので軽い気持ちでジョゼフ・オムにも寄ったら、勢いでまた1本買ってしまった。やはり前回同様に店の兄ちゃんから“同じスタイルの生地変わりを2本まとめていかがでしょうか”と薦められたが、さすがに今回は辞退した。もうそんなに取替え引替えする機会がないョッ!
でも、手持ちがすべて、細くなったウエストに合わせてサイズを詰めたものばかりになってしまっていたところ、初めからサイズの合ったものを買うのは、当たり前のことながらこれまた気持ちの良いもの。ブレザーと合わせて試着してみたら、いつも買っていたカジュアル・パンツとは異なる折り目のついた渋いチャコール・グレーが、なかなか良い味を出していた。

この間、店に入ってから1時間足らず。ほとんど疲労感もなく、それどころか良い買い物ができたささやかな満足感でチョッピリ元気が湧いてきたような気もし、その気分のお裾分けにとグラマシー・ニューヨークでチーズケーキも買って、早々と帰路についた。

あのブレザーとパンツは差し当たってまだ着用予定がなく、クローゼットの中で待機しているが、あれ以来自分にはまたヤル気が出てきたようだ。 単純なものだ。

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