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2009年7月20日 (月)

ムッシュ、‘わからんじん’の巻

我が家の愛犬ムッシュ(ヨーキー、♂、8歳8ヵ月、体重2.8キロ)は、ときどきここで紹介させてもらっているように、フレンドリーで人の言葉をよく解し、ムダ吠えはせず、快食・快眠・快便でめったに病気の心配はかけないし、自分が言うのもナンだが、ふだんはほんとに手のかからない“よくできた”子だ。
けれども、年に1回ぐらい、タマーに‘わからんじん’になることがある。イヤ、本人(犬)に言わせればチャンと理由があるのに、こちらがわかっていないだけかも知れないが...。つい先夜も、忘れていたほど久し振りだったが、そんなことがあった。

ムッシュ その日は明るいうちから、2ヵ月ぶりに長男と二男がやって来て、ムッシュは大喜び。前日には長女夫婦と小さな孫娘が来ていたが、相手を弁えてお行儀よくしていた反動か、遠慮の要らないお兄ちゃんたちには、飛び付くヮ舐めるヮの好き放題。すっかり3人兄弟気分で、いつもの就寝時間になってもなかなか自分のケージに入ろうとしなかった。
たまの我儘も可愛いものだとは思ったが、そうは言ってもやはり、当然に人間の息子たちが優先。その夜は、全員で好きなDVDでもじっくり鑑賞しようと思っていたので、ムッシュにはいつもの晩ご飯以外にお兄ちゃんたちに出したご馳走も少しお裾分けして気分を良くさせ、遅くなり過ぎないうちに寝かせ付けようとケージへ誘導した。

美味しいものをいただいたので、ツイ気分を良くしてホイホイとケージに入ってしまい、いつの間にか“おやすみー”と消灯されて、ムッシュは慌てたようだった。“まだ遊んでいたいヨー”という感じで、チョッピリ憤慨したような吠え方をしていたが、よくあることだったので、“もう時間なんだからネンネしなさい”と、取り合わなかった。
いつもならば、そこであと2声・3声は啼いても、あきらめて寝るところなのだが、その晩はチョッと様子が違って、1時間経っても2時間経っても啼き続けていた。間断なくというほどではなく、啼いてはしばらく様子を窺うという風ではあったが...。 それが、息子たちが帰ってかなり時間も経ち、そろそろこちらも就寝しようかという時刻になっても止まなかった。

そういうことがあると、まずパパが猫(犬?)撫で声で注意するが無視され、遂にママの出番となり、優しく言い聞かせても改まらないと“ネンネしなさい!”と一喝されて一件落着となるのが通常のパターンなのだが、その夜はどうしたわけか効き目がなかったようだ。夜も更けたことだし、そのうち治まるだろうとタカを括って、自分たちはそれぞれ2階の自室に引き上げ、一たんは眠りに落ちたのだが、1階から相変らず聞えてくる啼き声に、熟睡しないうちに目を覚まさせられた。
ベッドサイドの時計を見ると、まだ午前3時前。いくら何でももう少し寝かせて欲しいと思い、階段の途中まで足を運んだだけで、そこから下に向かって声をかけ、また部屋に戻り横になって目を瞑ったが、一たん目が覚めてしまうとこんどは、こちらがなかなか寝付けなくなった。

意図してではなかったのだが、結果的にムッシュの啼き声に耳を澄ますかたちになってしまい、聴いていると、どうも普通の啼き方ではないような感じがしてきた。だいたい、何か要求しているときには“ワンワン!”...“ワンワン!”...と、後のワンの方にアクセントを置いて、少し間をとりながら訴えるような啼き方をするのだが、それが“ワンワンワッ!”、“ワンワンワッ!”と3連呼で間を置かず、ややヒステリックに叫び始めたのだ。
そうなると、もしやどこか具合でも悪いのでは?と放っておけなくなり、1階へ下りてケージの前まで行ってみると、中でジャンプを繰り返しながら、ますます激しく啼き、どうしたのかと問いかけても聴く耳持たずという状態。お腹でも痛くて我慢できなくなったかと、真夜中だったが庭へ連れ出したら(ケージの中にトイレは設えてあるのだけれど)、どうやらそうでもなかったらしく、小用だけ足してケロッとした顔。

でもまあ、これで多少は気も済んで寝てくれるだろうと、ムッシュをまたケージに入れてよく言い聞かせ、自分もケージ(じゃなかった寝室)に戻ったら、しばらくは沈黙が続いていたが再び3連呼が始まった。具合が悪いわけでもなかったのだから、無視しておいてこちらとしても何とか眠らなければと思ったが、やはり気になって(というかうるさくて)とても寝るどころではなく、また1階へ下りてしまった。
先ほどと同様、ムッシュはジャンプしながら叫び続けていたが、こういうときは怒鳴ったり脅かしたりしても効き目がないことは経験的にも知っていたし、ケージに閉じ込めて置く限り暴れているので、ひと先ず出してやって、ひたすら諄々と言って聞かせるほかあるまいと判断した。

そうしたら、吠え過ぎて喉がカラカラになったのか、ひとしきり水を飲み続け、渇きが治まるとリビングからダイニング、そしてキッチンからママの家事室、さらに玄関ホールや勝手口と、家中を走り回り出した。様子からすると、どうやら、お兄ちゃんたちはどこへ行ったのかと探しているようだった。
眠れないのでヘトヘトだったが、こちらも腰を据えて、“お兄ちゃんたちは、もう帰ったんだから、今日はいい子でネンネしようネ”と何度も言って聞かせると、盛んに首を傾げる仕草をしながらも理解したのか、やっと落ち着いたようだった。が、これでまたケージに入れて立ち去ったら繰り返しになると思い、自分もリビングルームのソファーにひっくり返ると、ムッシュは嬉々としてそのソファーの下(床との隙間10~15センチほど、何かあったときのムッシュの避難場所)に潜り込んできた。

それからやっと、家の中には静寂の時間が訪れ、しばしの間ウツラウツラできたが、気がつくと外はもうすっかり明るくなっていた。まだ早朝の5時だったし、ロクに寝てはいなかったけれども何となく休息できた気分だったので、いつもより2時間以上早かったが散歩に出たら、ムッシュも元気についてきた。
戻ってまたしばらくウトウト。散歩のせいか軽い疲労感を覚え、かえって気持ちが良かった。やがて家内も下りてきたが、朝早くから居るはずのない場所に居る自分とムッシュを見てビックリ。どうしたのかと聞かれて、コレコレシカジカと話したら、自分は“そんなに甘やかしちゃダメよ!”と、ムッシュは“どうして言うこと聞けなかったの!夜中はチャンとネンネしなければダメでしょッ!”と、お小言を頂戴した。

問答無用で、二人とも悄然。ムッシュはパパにはいくら叱られても平気な顔をしているくせに、ママに叱られると耳を寝かせ首をすくめて殊勝な態度を見せている。誰が真の権力者かよく見極めているのだ。自分も、実際のところ一晩中苦労したが、そんなことをグタグタ言っても始まらないので、“どうしてこういうことになったのか”、“今後そうならないためにはどうすれば良いのか”と、前向きに考えることにした。
そう言えばこれまでも、似たようなことが2度ほどあったのを思い出した。一度は3年前、ママがお友達と3~4日間清里の山荘へ行っていて、パパと二人だけで横浜の家でお留守番をしたとき(06年10月20日参照)、もう一度は昨年の秋、長女が孫娘を連れて清里に遊びに来たときだった。

ムッシュ 考えてみると、この2度のケースには共通要因がある。どちらも、ママ、パパ、ムッシュという日ごろの安定した人間(?)関係というか生活環境の中に突然予期せぬ(ムッシュにとっての)変化――たとえば、ムッシュが最も頼っている人(すなわちママ)の不在とか、ママやパパにとってのムッシュ以外の関心対象(すなわちお兄ちゃんや娘や孫)の出現とか――が発生したときに、こういう結果になるのだ
そういうときには、きわめて社会的な動物といわれる犬の内面には、“淋しさ・頼りなさ”とか、“孤独感・疎外感”といった感情が、人間が想像するよりもはるかに大きなインパクトを持って湧き起こり、それが“欲求不満のはけ口”を求める啼き声・行動となって表れるのかも知れない。

その意味で今回のケースは、3年前のママ不在の夜よりも、昨年秋の娘と孫来訪の夜に近い。と言っても、孫娘やお兄ちゃんが来たり泊ったりすると必ずそのように情緒不安定になるのかというとそうでもない。微妙なところなのだが、たとえそんなときでも、家族の一員として同じ場所に彼らと一緒に居さえすれば、自分が必ずしも関心の中心ではなくとも不満に思うわけでもなく、やがて彼らがそこから引き揚げてまたいつもの環境が戻ると、落ち着いて眠りに就き、決して夜半に騒いだりしない。
ところが、いつもの就寝時間になったからといって、自分だけ早々に“おやすみー”とケージに入れられ、その後みんなが楽しげに談笑している(のがよく聞える)のは納得が行かなかったらしい。“ボクだってまだみんなと一緒に居たいのに、何で一人だけ寝かされるんだョー?”というわけだ。そして、“まだ寝なーい!”、“もっとみんなと遊ぶー!”、“ここから出せー!”と怒り叫んでいるうちに、本来なら襲ってくるはずの眠気も吹っ飛び、ケージから出してもらうまで騒いでいたのではないだろうか?

娘と孫が清里に泊りに来たときも、今回とほとんど同じ状況展開だったのだが、“喉元過ぎれば熱さを忘れ”で、その後、なぜあのときそうなったかの分析をしておかなかったため、またそれを繰り返してしまった。今後は、これまでの経験を良い教訓として、自分なりの仮説を導き出し、次回の発生を防ごうと思う。
...というほど大げさなものでもないが、考えついたのは、おおよそ次のようなこと。

1.    ムッシュは自分もママとパパの子供で、お兄ちゃんや娘や孫たちとは兄弟姉妹と思っているらしいから、家族団欒のときは決して、“犬あつかい”して差別したり疎外したりしない。
2.    そんなときは、いつもの就寝時間になったからといって事務的に寝かせつけようとせず、本人(犬)自身が眠くてたまらなくなり、自分からもう寝たいという様子を見せるまで放っておく。

果たしてこの仮説は、当たっているのだろうか? 全然間違っていたりして...。

ところで話は飛ぶけれども、以前話題になった犬語翻訳機「バウリンガル」の進化型(音声同時通訳もできるヤツ)が間もなく発売されるらしいが、自分はいま、一度試してみたい欲求を抑えきれないでいる...。

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