« 「ROI」「アカウンタビリティ」「クリエーティビティ」 | トップページ | 清里グータラ日記 »

2009年4月27日 (月)

親馬鹿

ムッシュ と言っても、本当の(?)子供たちはもういい歳だから、いまさらその対象ではない。これは人間のではなくワンコの親としてのはなし。でも、ワンコの親としてってどういうこと?と思われる向きもあるだろう。が、小型犬、特に我が家のムッシュのようなヨークシャーテリアやチワワなどの極小犬を飼っているお宅なら、きっとわかってくれる。ご主人や奥さんが大真面目で自分をワンコのパパやママに擬して、おチビちゃんたちを人間の幼児のように可愛がっているはずだから。
我が家では子供たちも、ムッシュのことは歳の離れた幼い弟のように扱っているし、ムッシュの方も、自分が犬だとは思っていないようで、長男・次男・長女そして長女の娘(つまり孫)がたまに訪ねて来たときの喜びようと言ったらない。ママやパパに甘えるときとはまた違って、遠慮なしに舐めるワ、ジャレつくワで、それはそれは大騒ぎ。孫娘とも、まだ小さかったころにはお互い敬遠し合っていたが、最近では大の仲良しになった。

ムッシュとの一日は、ふつう、毎朝8時過ぎに始まる。そのチョッと前まではママもパパも、まだそれぞれ2階の自室で、フジの帯番組「めざましテレビ」内にある「きょうのわんこ」というミニ・コーナーを視ているからだ。わずか1~2分だが、早朝の用事があったり寝坊したりしない限りこの何年か、だいたい欠かさず見ており、これが終わったところで部屋から出てきて、“今日の子は可愛かったネ”とか、“今日の子よりもウチの子の方が可愛いネ”などと他愛もない話を、朝の挨拶代わりに交わす。
ムッシュは結構寝坊で、1階から“起きたヨー”といった感じの啼き声が聞こえてくるのは、だいたいそのころ。いったん啼きだすと、こちらが“ハイ、ハイ”と言いながらリビングルームのシャッターを上げカーテンを開けて外の光を入れるのももどかしいように、ケージの中で“ワンッ!ワンッ!”と叫びながらジャンプをしているが、これは元気な証拠だ。扉を開けてやるとトタンに飛び出して、脱兎のようにママのところへまっしぐら。

ムッシュ その後パパから声がかかって、食事の前に朝の散歩に出るが、我が家の東側の坂道を200メートルほど歩いたところに公立の中学校があり、斜向かいの三叉路の角が生徒たちの格好の待ち合わせ場所になっているので、道を渡っていつものコースに出ると、必ず何人かの女子生徒や男子生徒に出会う。
顔なじみの子はもちろん、初めての子にも、人懐っこいムッシュは駆け寄って行って後足で立ち上がり愛嬌を振りまくが、生徒たちも、そうされて迷惑がる子は一人もなく、みんなニコニコ応えてくれる。走っていたのにワザワザ立ち止まり黙って頭をなでてくれる男子生徒もいれば、“ヤバ~い!”、“チョー可愛い~!”といった最大級の賛辞で大騒ぎしてくれる女子生徒たちもいる。

朝の散歩でよく会うワン友は、道の向い側のマンションに住むミニチュア・シュナウザーのプッチ君と、ムッシュと同じヨーキーのイヴちゃん。プッチ君はまだ若いが大人しく控えめだし、イヴちゃんは人見知りで引っ込み思案なので、こちらが声をかけてもモジモジしているが、ムッシュの方は、社交的というか甘え上手というか、お友達には“ア、どうも”といった程度のソコソコの挨拶をして、むしろ彼らのママやパパに向けて盛んに尻尾を振り、“ムッシュ君はホントに可愛いねー”などと褒めてもらう。
昨年清里へ一時引っ込む前までは見かけなかったが、その間近所に戸建分譲住宅が一挙に増えたせいか、戻ってきてからよく顔を合わせるようになったワンコも多い。だいたいご主人が連れていて、ウィークデーの朝にも会うので、おそらく自分同様、第一線からは退いた方々ではないかと想像しているが、初めてのころは厳つい表情だったのが、何度か行き会って顔見知りになり、ワンコ同士名乗り合うようになったら、“やあ、ムッシュ君、オハヨー”と声をかけてもらえるようになった。

でもムッシュは、我が家に来る以前はお母さんと娘さんだけの家庭で育ったせいか、どちらかと言えば女性が好きらしい。向う三軒両隣りの奥さんたちはもちろんのこと、町内のお婆ちゃんから娘さんに至るまで顔を覚えていて、散歩の途中で見かけると走り寄って行っては、“ムーちゃんはいつも元気ね”などと可愛がってもらっている。
向うから知らないご婦人が歩いてきても、目が合ったり微笑みかけてもらったりしたら、もうイソイソとそちらへ。自分がケシかけていると誤解されても困るから、小声で“ムッシュ、止めなさい!止めなさい!”とリードを引いて制するのだが、小さいくせに鼻息を荒くして手足を突っ張り、言うことを聞かない。それでいて、傍へ行って“可愛いわねー”などと言われるとトタンに大テレにテレて一目散に駆けだすので、パパは“済みませーン”と謝って、引っ張られる格好で一緒に走る。恥ずかしいったらありゃあしない。

ムッシュ ムッシュは基本的に快食・快眠・快便。朝は軽めだが1日3食、2~3便(失礼!)、昼寝を2~3時間するが、夜から朝にかけても12時間前後は寝ている勘定になる(もっともこの間ズッと熟睡しているのかどうかはわからないが)。柄の割にはチョッと食べ過ぎ寝過ぎではないかと思わないでもないが、それでもまったくメタボ犬にならず2.8キロのベスト・ウェイトを維持しているのは、散歩をよくするお蔭か。朝のほかに1日3回。そのうち2回は昼食後・夕食後の用足しを兼ねたプチ散歩で、本格的なのは昼寝後の1回だけだが。
コースも距離も、特別な予定や時間の制約がない限り、本人(本犬?)まかせのスタイルなので、以前は、ずいぶんいろいろなコースを辿り、遠出もした(清里でもそうだった)が、最近(こちらへ戻ってから)は、なぜか、コースのバラエティも距離も減少した。体力が少し衰えてきたのだろうか?家の中では、元気に駆け回っているのだが。それでもほぼ毎日の規則正しい、合計すると時間で1時間、距離で2キロ近くになるこの散歩は、自分ぐらいの年齢の人間の体調維持のためにも、実にいい運動になるようだ。“たかが犬の散歩”と他人は見るかも知れないが、どうしてどうして、自分にとっては軽視できない。

散歩と用足しといえば、雨の日は外でできないので困る。前の家は南欧風というか、切妻だが四方に軒が張り出したデザインだったし、清里の山荘もチロル風の大屋根で軒側も妻側も深いので、雨の日でも濡れずに家の周りを歩かせることができたのだが、今度の家は北米風というのか、玄関ポーチと勝手口を除いては庇がなく、壁がストレートに立っていて屋根の軒も妻も非常に浅いので、雨を避けるところがない。
家の中から直接出られ庭にも抜けられるように作った屋内車庫の一隅に、ムッシュ用のトイレを設えてあるのだが、まだなかなか慣れてくれず、雨が降る度に庭と家の周りを、傘を差して二人でグルグル回って苦労している。

話は変わるが、少し前、たまプラーザのT百貨店のホールで、ベストセラーになった「犬と私の10の約束」の映画(2008年3月に封切りされたもの)が上映されるというので見に行った。2007年11月12日のここにも書いたように、この本は既に読んで十分に感動し尽くしたつもりでいたのだが、映画はやはり何倍もインパクトがあった。筋も結末も知っているので、絶対涙をこらえられないと思い、あらかじめハンカチとティッシューを用意して行ったが、案の定、会場が暗くなってスクリーンにタイトルが映し出されオープニング・ミュージックが流れ出しただけで、ウルウルしてきた。
豊川悦司、高島礼子、田中麗奈、布施明など、キャストはみなハマっていたが、特に、加瀬亮が良かった。原作を読んでイメージしていた星君のキャラにピッタリで、この映画の基調を造り出していた。ストーリー全体からすれば決してアンハッピーエンドではないのだが、天国へ召された主人公ソックスの元気なコロコロとした仔犬時代の映像が何度も映し出されると、どうしてもムッシュとダブって、親馬鹿パパとしては切なくないと言えば嘘になる映画だった。

ムッシュは4歳半のときに我が家に来て(2007年6月11日参照)まだ4年しか経っていないのだが、いまの自分たちにとって彼のいない生活は考えられない。どちらが先になっても、どちらも辛い...この癒しと安らぎに満ちた時間がいつまでも続けばいいものを...などと、傍らの椅子の上にお座りし無心に円らな瞳で見上げるムッシュを見ながら、ついそんなことを考えてしまった。

≪来週5月4日は勝手ながらお休みさせていただき5月11日にまたお目にかかります≫

|

« 「ROI」「アカウンタビリティ」「クリエーティビティ」 | トップページ | 清里グータラ日記 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 親馬鹿:

« 「ROI」「アカウンタビリティ」「クリエーティビティ」 | トップページ | 清里グータラ日記 »