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2009年3月30日 (月)

顧客の気もちの読めない面々

先週は、一消費者としてはきわめて不愉快で、かつ、日ごろマーケティングについてあれこれ言わせてもらっている立場からも見過ごせないことが、立て続けに2回もあった。
その1はクレジットカード会社の、その2はファーストフード会社のケース。前者はコールセンター、後者は店舗という、何れも、いわゆる“顧客接点”での問題だ。

まずは<カード会社N>の場合。もともとは信販系最大手だったが、現在ではメガバンク傘下の銀行系カードになっている企業。第一線を退いて、AカードやDカードを高額な年会費を支払ってまで使い続ける必要がなくなって以来、比較的低会費の割には利用限度額の高いカードとして重宝していた。
けれども最近、よく利用するT屋百貨店のカードもNと提携したので、同じNを2枚も持っている意味がなくなり、年会費のかからないT屋カードの方を生かして以前からの有料カードを退会することにし、今年の1月に電話で手続きをした。

クレジットカードの会員に限らず、コンピューターのソフトウエアなど、こちらから連絡をしないと契約が自動更新され、いつの間にか支払口座から会費や利用代金が引き落とされるという取引のかたちはけっこう多いが、こういう退会あるいは継続中止の申し込みをした場合、必ずしも、何らかのかたちでの確認通知が発行されるわけではない。
このカードの場合も、“この電話で確かに承りました”ということで、特段の確認通知がなかったのが心もとなかったが、AカードやDカード退会のときにはそれでその後は何もなかったので(当たり前だが)、まさかこんなことが起きるとは思ってもいなかった。が...

2か月以上前に退会手続きが受理されたので使っていなかった(というよりも破棄してしまったので使えるわけがなかった)はずのNカードから、「2009年3月分ご利用代金請求書」なる封書が届いたのだ。開封してみると、向う1年間の会費で、1週間後に指定口座(これは他にも使っているから現存)から自動引き落としされるという。
まったく予想もしていなかったことだったので、一瞬、自分が何か手続きを間違えたのか、それともボケてしまって手続きをしたつもりになっていたに過ぎなかったのかという錯覚に陥ったが、気をとり直して記憶をたどり、その何れでもないことを確信したので、N社のコールセンターに電話をしてみることに。

しかし、それからが大変だった。まず、その請求書に記載されている連絡先(局番から判断するとこの地域の会員に特定したコールセンターらしい)に電話しようと思ったが、説明をよく読んでみると、どうやらそれは会員向けのIVRサービス(自動音声応答システム)で、カード番号と暗証番号がわからないと顧客サービス係との直接会話に進めないことがわかった。だが、そのカードはとっくに破棄してしまったし、もちろん番号を覚えているわけもないから、どうしようもない。
ので、こんどは、別のNカード、つまりT屋カードの裏面に虫眼鏡でないと見えないような小さな文字で記載されている番号(「Nカード東日本コールセンター」とあった)にかけてみることに。しかし、何度ダイヤルしても通話中でつながらない。N社ホームページ上で番号を探そうとしたがやはり同じこと。そこで最後の頼みと着目したのが、カード盗難・紛失専用の緊急電話(これだけがフリーダイヤル)だが、これまたつながらず!

でも、ここであきらめては事は解決しないと、それから1時間以上、根気よくこの両方の番号に交互にダイヤルし続けた結果、やっとフリーダイヤルの方につながった。事情を話すと、そこでは対応できないということではあったが、地域の顧客サービス係直通の電話番号がわかり、やっと話の入り口に辿りついた気分になった。
その番号は、一般にオープンしていないのか、何と一発でつながり、電話に出たのも口調から判断して年配の管理職といった感じの男性。で、そこでまた事情を説明して、一体どうしてこんなことが起こったのか、調べてもらうことにした。

そして待つこと数分...来ました、返事が。Oh!ジーザス・クライスト!確かに、こちらが記憶している時期に、退会申し込みを受け付けた記録があるが、結果として会員データベース上での処理ができていなかったため、そのまま請求書が発行されてしまったという。電話を受けた係員が会員データ管理の方に連絡するのを忘れたのか、それとも連絡を受けたデータ管理の係員がファイルから削除するのを忘れたのか?いずれにしても、通常では考えられない“まさか...”に遭遇してしまったようだった。
おまけに引き落としの方は、すでに銀行に依頼済みで最早ストップできないので、一たん引き落とし、後で振り込み直すとのこと。一体、何をやっているんだか...。管理職氏は平謝りはしたものの、やはり原則的にいちいち退会確認書は発行しないことになっており、これを以って改めて退会手続きに替えたいと言っていたが、こちらとしても、こんなことは2度とゴメンだから、あくまでも“退会確認書”の発行を要求したところ、渋々承諾。しかし、もう1週間経ったが、いまのところそれはまだ、自分の手許に届いていない...。

次は<ハンバーガーのM>。イニシアルがMのところは2社あるが、外食ビジネス最大手の方だ。バーガーが特別好きなわけではないけれども、夫婦ともベーグルやマフィンなどでサンドイッチしたアメリカンな軽食が嫌いではないので、ブランチにしたいときに、時たま近所のショップまで出かけて、朝食メニューをテークアウトしてくる。台所に立つほどの器用さもない自分ができる、せめてもの家内の家事負担軽減という意味もある。
利用するのは、いつもというわけではなく、これなら食べてもいいかなと思えるメニューのお徳用クーポンが新聞折り込みに入っているときで、その朝は自分の好きなエッグ&ソーセージ・マフィンがあったので、散歩がてら買いに行こうかという気になった。

自分の家で食べるのだから本来ドリンクは不要だったが、セットでないと買えないので取りあえずジンジャーエールをチョイス。午前の比較的空いている時間だったが、新人研修を兼ねていたらしく、だいぶ待たされた後に、家内の分(は違うメニュー)共々2つの紙袋を受け取って家に戻った。念のためレシートを見て、また袋の上から触ってドリンクのカップが入っていることもチェックし、注文した通りであることを確認したつもりだった。
ところが、帰宅してドリンク・カップを取り出し、横に付いていたストローを蓋に突き刺して一口啜ったら...予期していた味と違う。何と、アイス・カフェオレだった!不味かったわけではないが、コーヒーは朝飲んだばかりだし、いま飲みたいと思っていたものではなかったので、それ以上は口をつけなかった。

たかがセットもののドリンクのことだから、目くじらを立てるほどのこともなく、放っておこうかとは思ったが、注文に基づくレシートの記載は正しかったのに客に引き渡す商品が間違っていたわけで、店内の作業プロセス上で何らかの問題があったのは明らかであり、もしかしたらもう一人、迷惑している人がいるかも知れないとも推察して、一応、店には言っておこうと考えた。何れにしてもミスはミスだし、あってはならないことなのだから。
ただ、そのためにまた直ぐ、わざわざ店に足を運ぶのも面倒だし、それほど急ぐことでもなかろうと思い、後でその店があるスーパー・ストアに行く用事があるからそのついでに寄ってくるという家内に託すことにした。

夕刻、家内が憤慨して帰ってきた。Mの店員(女性)は失礼にも程があるというのだ。この件についての経緯を話し、注意を促したところ、“済みません”でも“失礼しました”でもなく、“じゃあ、ジンジャーエールに取替えればいいんですか”とホザいたそうな。店の間違いで迷惑をかけられた上そんな対応をされたら、誰だって怒る。
普段はクールな家内もさすがにたまりかね、“客に迷惑をかけておいて、そういう言い方はないでしょう”と感情を露わにしたら、やっと、奥で話を聞いていた責任者らしき男性が出てきて口添えし、そこで初めてその店員は“済みませんでした”と言ったそうだ。こちらもヒマなわけではないから、いつまでもそれに時間を費やしていられないと家内は帰ってきたが、取りあえずと持たされてきた代りのジンジャーエールも、カップの蓋の閉め方がいい加減だったらしく、中身はあらかたこぼれて、紙袋がグチャグチャになっていた。

いわれのない侮辱を受けた思いだった家内は、帰宅後改めて店に電話をかけて、作業ミスはともあれ客対応が問題ではないかと抗議し、かの女性店員と責任者と称する男性の名前を聞き出していたが、先方は、こちらがどこの誰なのかを知ろうともせず、とにかく謝って、その場限りのことにしたい様子だった。
そうなるとこの件はなかったことにされてしまい、何の教訓にもならず、また繰り返されるおそれもあると思って、ともかくMの本部に電話して事実関係を通知し、見解と対応策を聞く気になった。

電話番号を調べようとMのホームページを開き、通常のサイトならトップページの最上段にあるはずの「問い合わせ・ご要望」のボタンを探した。が、見つからない。「会社情報」に含まれている場合もあるのでそこも開いてみたが、やはりない。もしや?と思い「よくあるご質問」を開いてそのページの一番下までスクロールしたら、やっと「フリーダイヤル」が見つかったけれども、取り扱い時間が週日の9時~17時ですでにクローズ。で、細かいことを書くのは面倒だったが、そこに用意されていたメール・フォームで送信した。
返信の要求はしておいたが念には念をと、翌朝電話でフォローアップ。メールと同じ内容を伝えると、予想していた通り、慇懃であまりにも流暢過ぎる型通りの詫びの言葉。翌日のメール返信も、“従業員の対応で不快感を持たれたことは申し訳ない”、“これまでも従業員教育にはつとめてきたが今後このような不手際のないように努力する”、“お詫びするとともにご意見を感謝する”...と、顧客苦情への返答文例集にでもあるような内容で、何の具体性もない。差出人も責任ある個人ではなく「お客様サービス室」で、ぜんぜん感情修復ができた気はしなかったが、それ以上追及するのも時間の浪費と思って止めにした。

さて、今回を読んでくださった方は、この2件の経緯から何を感じられただろうか?店舗やコールセンターなど客対応の第一線にいる係員の基本的な教育、ミスや問題の発生を最小限にする作業プロセスとシステム、トラブルが発生した際の最適な対処方法、良くも悪くも経験からの学習...などの必要性を当然指摘されるだろうが、自分はそれに加え、“企業の顧客に対する基本的な姿勢”、その表れとしての“企業ウエブサイトのあり方”などに対しても、問題提起をしておきたい。
この2社だけではないが、世の中にはどうも、まだまだ“Customer Centric”(顧客本位)でない、“Customer-friendly”(顧客に親切な)には程遠いサイトが多過ぎるということだ。
何かあったときどこに電話すればいいかわからない、かけるべき電話番号を探そうとしてもなかなか見つからない、かけてもかけてもつながらない、苦情回避や経費節約のためかフリーダイヤルになっていない、手間を省くためできるだけIVR(音声応答システム)やメールで対応しようとしている...等々、今回の経験から、そんなことを感じてしまった。

共感してくださる方もいると思うのだが、企業側はどう受け止めるだろうか?

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