« テレビは世に連れ | トップページ | お休みします »

2009年3月 2日 (月)

寒いときは熱々の汁物に限る

先週はほとんど毎日、寒くグズついたお天気だったが、そんな中、仕事と私用であちこちに出かけることが多くて、いささか草臥れてしまった。寒気をこらえようとツイ気を張り、身体を強張らせるため余計な力が入って、なけなしのエネルギーを消耗したようだ。
そんなわけで週末の朝食後、まだまだ春には程遠いし、寒さに負けない元気をつけるために今晩あたり温かい鍋物でもいただきたいナなどと思っていたら、タイムリーにも、その心中を見透かしたようなテレビ番組が目に飛び込んできた。

フジの「めざまし土曜日」の中の、“冬のニューヨークあったかグルメ”と題した、マンハッタン各地域の冬の定番メニュー食べ歩きレポートで、途中から気がついたため最初から最後まで見たわけではないが、イーストビレッジのファラフェル・サンドイッチ、ハーレムのガンボ・スープなどを紹介していた。
ファラフェル・サンドは、確かに熱々だし、ガンボ・スープも香辛料が効いて体の中から温まり悪くないが、ニューヨークでそのてのものと言ったら他にもあって、チキンヌードル・スープやマンハッタン・クラムチャウダーの方がもっと一般的で日本人の口にも合うのに――などと思いながら画面に見入っていた。

思えば自分も、かつてニューヨークに長期滞在していたころ、街角の屋台や駅地下のスープスタンドで、また出張の行き帰りに空港のカフェで、早朝あるいは夜更けに、どれだけ、そんな具沢山のアメリカン・スープのお世話になったかわからない。
そう言えばもう1年半、ニューヨークにはご無沙汰しているなと、いささか旅心も刺激されたが、その朝は、どちらかと言えば食欲の方がもっと刺激され、温かいお茶と味噌汁で朝食を済ませたばかりなのに、昼食にはサンドイッチと熱いカップスープがいいなどと考えてしまう始末。イヤハヤ、それだけ食欲があれば多少疲れ気味でも心配はなかろうと自己納得した。

改めて考えてみると、自分はつくづく、汁物・鍋物というかスープやシチューの類いが好きだと思う。人一倍寒がりのせいかとも自己分析してみたが、暑い時季や場所でも食したいと思うから、それだけの理由ではないのだろう。もしかしたら、食糧事情の悪かった戦中・戦後、有り合わせの穀類や野菜を何でも汁の中にブチ込んでご飯と一緒に炊いた文字通りの雑炊風の食事を、それでも美味しいと思っていただいた記憶が、いわゆる“おふくろの味”として意識下に潜在しているのかもわからない。
あらゆる汁物を験したことがあるというわけではないが、ともかくこれまでに、日本はもちろん世界の各地で、さまざまなタイプのものを、ホテルや旅館、レストランや料理店、カフェやデリ、スタンドや屋台から、家内の手料理、さらには缶詰・ブイヨン・粉末などのインスタントものに至るまでのかちで味わってきたが、どれもそれぞれに美味しく、ブランドや値段は関係なかった。

自分がいま言っている汁物には、洋風概念でのスープやシチューだけでなく、日本・アジアの汁麺類・鍋料理も入る。広い意味では雑煮や豚汁・きのこ汁などもそうだと思う。自分は、生まれ育ちが東北の内陸部なので具材の好みにやや偏りがあるけれども、寄せ鍋・白菜鍋・雑炊・おじやなどの土鍋料理が大好きで、家内によく作ってもらう。毎日オフィスに通っていたころは、昼は鍋焼きうどん、夜は石狩鍋などということもあったし、韓国雑炊のクッパ、雑煮のトックッもときどき食べていた。
汁麺類はいまでも外食することが多いが、どちらかといえば中国よりは日本の、その中でもソバよりはウドンで、このごろは薄味の方が好もしくなってきて、かつてあれほど好きだった油の浮いた濃いスープのラーメンよりも、沖縄ソーキそば、ベトナムのフォー、ハワイのサイミンなどの方が口に合うようになった。ただワンタンだけは別で、昔ながらのしょうゆ味スープ(ただしサッパリ目)のものを家で作ってもらう。そう言えば、最近は食べていないが、ホンコン・台湾・シンガポールなどの汁麺類はアッサリ味で小鉢なので、昔は夜食に現地の屋台でよく食べたものだった。

田舎料理の汁物好きが高じていまのようになったくせに、生意気にも洋食の汁物、すなわちスープ、シチュー類にも目がない。何がそんなに好きなのかベスト3を挙げよと問われれば(誰も問わないだろうが)、ボルシチ、ミネストローネ、クラムチャウダー(ニューイングランド風の白い方)ということになろうか。厳密にいうとスープでもシチューでもないかも知れないが、ポトフも好きでたまらない。嗚呼...。
反面、けっこう大好きな人の多いブイヤーベース、トムヤムクン、チゲ、それに前出したガンボなどは、嫌いというわけではないが、自分から無性に欲しくなるというほどではない。こうしてみると自分は多分、海の食材よりは山の食材、魚介類よりは野菜類が好きなのだ。いま初めて気がついたわけではないが...。

ところで近年は、ムッシュの食事や散歩などの面倒を見ることが生活の節目になっているためか、何となく外出する機会が持ちにくくなり、したがって外で食事をするチャンスも減って、こんどアレを食べようなどと思っていてもなかなか時間をつくれず、そのうちに忘れてしまうというケースが再三ある。
ムッシュが可哀そうだから彼独りを残してまで外食に出かけたいとも思わないが、せっかく食べたくなったものを忘れないように、一応、ここに備忘ログしておこうと思う。と言って別に、そんなに大それたものを望んでいるわけではなく、チャンコ鍋ときりたんぽ鍋くらいのもの。このところ長いこと食していなかったので。

ウウ...2日前のテレビ番組に刺激されて懸命に味覚の記憶を辿り、それを増幅して妄想を逞しくしたので、自分で書いていて、口の中にツバがたまってきた。家内にはまだお願いしていないが、近いうちに何かつくってもらおうか、それともチョッとの時間ムッシュに我慢してもらって外に食べに行こうか...。

|

« テレビは世に連れ | トップページ | お休みします »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 寒いときは熱々の汁物に限る:

« テレビは世に連れ | トップページ | お休みします »