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2008年10月20日 (月)

森の秋

♪ 静かな静かな里の秋...ならぬ森の秋。 机から目を上げて窓の外を見ると、2~3メートル先のヤマボウシの葉がいつの間にかだいぶ紅らんで、ツンツン上を向いて生っている実も赤く大粒に。その左手奥のアカマツの幹に絡まりついているのはウルシヅタか、暗紅色だがきれいに色づいている。手前のモミジはまだ3~4分というところで、全体が真紅になるのはこれからのよう。けれども、モミやトウヒなどの常緑針葉樹を残して、ミズナラもカツラもすっかり黄褐色を帯び、裏庭の森は全体が秋色に染まってきた。
玄関から表庭に出てみると、今年はドウダンツツジがいい色で、ナナカマドも、葉はもうほとんどなくなったが、赤い小粒の実が鈴生りになって残っている。
1_yamaboushi_5  2_urushi_3    3_tutuji_2

4_sanpo_2 ムッシュを連れて散歩に出ると、路上には早くも散り落ちたコナラやクヌギの枯葉が積もり、歩を踏むごとにカサコソと音をたて、退色したカラマツの葉が、音もなく肩に降りかかる。ときどき“パーン、パーン”と、まるで銃声のような音がして耳を驚かすが、ドングリが家々の屋根に落下しているのだ。一帯が静かだから、木の葉が落ちても何かと思うほどの音がする。
森の散歩道は、いま、赤・茶・黄・緑のパステル・カラーに彩られて、新緑のときとはまた違った美しさ。咲き残った薄紅色のアザミや薄紫色のノコンギクもひそやかに風情を添えて、秋が一日一日と深まってゆく。



こちらに越してきてからもう3ヵ月。夏はアッという間に過ぎ、いま秋も終盤にさしかかっている。月並みな感想ながら、まことに月日の経つのは早いもの。この分なら、家が完成する年末までも、あまり待ちくたびれずに過ごせるかも知れない。
ここでの生活ペースがすっかり身につき、毎日をゆったりと過ごすようになって、ずっと体調も悪くなかったが、このところ口内炎が出て、2~3日痛みと微熱が取れないでいた。仕事と私用との両方で、1時間刻みのスケジュールをこなしつつ東京・八ヶ岳間の日帰り往復を繰り返した疲労が、積もり積もったのだろうか。

横浜の家ならば、気軽に歩いて、近所のかかりつけの医院に行くところだが、ここでは様子がわからない上、どこへ行くにも遠い。でも、やはりこの土地でも一度は医者に診てもらっておいた方がよかろうと、腰を上げることに。
まずインターネットでザッと調べて、長坂にある北杜市立の総合病院「甲陽病院」と、内科・小児科・神経科・耳鼻科・眼科・皮膚科・歯科と一応揃っている大泉の「大泉中央診療所」に絞り込んだ。選択基準として正しかったかどうかわからないが、なるべく規模の大きそうなところが良いのではと考えたわけである。その先の判断は直感で、あえて小規模な方の、大泉の診療所へ行くことにした。甲陽病院は、以前スズメバチに指を刺されて駆け込んだことがあったが、ここからはかなり距離があって通院しにくいし、大病院の常として延々と待たされそうな気がしたので...。

国道141号線から小淵沢方面に抜ける、車も人通りも建物もまばらな県道沿いにあるその診療所は、築20~30年は経っているかと思われる小ぢんまりとした平屋で、いかにも昔の地方の町の小病院といった趣き。玄関で靴を脱ぎ、ビニールのスリッパに履き替えるようになっていて、十字に走る板張りの廊下にベンチはあるが、コーナーの一角が一段上がった6畳ほどのタタミ部屋で、そこに座って待っているご老人もいた。
自分は内科と歯科で診てもらったが、都会とくらべて拍子抜けするほど待ち時間が短く、先生も看護婦さんもとても親切かつ気さく。たまたま後に続く患者さんがいなかったので、ツイ世間話も弾んでしまった

内科・小児科・神経科の先生が院長で、歯科の先生が奥さんらしく、診察室は、先々週から始まったフジテレビの連ドラ「風のガーデン」に登場する北海道富良野の診療所もこうではないかと思わせる質素な雰囲気。とはいっても、院長は故・緒形拳とは全然ちがったタイプの、血色も恰幅も良い初老の紳士で、“わたくし、生まれも育ちも、いま住んでいるところも大泉で...”と自己紹介までしてくれた。
緒形拳といえば、たまたま自分は、明治座で彼の初舞台を見ている。1960年、「遠い一つの道」という現代劇で、新人ボクサーの役。時代もの中心の新国劇にあって、鮮烈な印象だった。あれから半世紀近く、彼は数々の映画・テレビドラマ・舞台を経て、年輪を重ねた名優となったが、いささか早過ぎる旅に発ってから、はや半月経ってしまった。自分も同い年だが、まだやりたいことが沢山あるので、願わくはもうしばらく元気でいたい。

5_countyfair 週末、景気のいい打ち上げ花火の音に誘われて、「ポール・ラッシュ祭~八ヶ岳カンティフェア」に出かけた。この数年、清里に来るタイミングとなかなか合わなかったので何年ぶりかになる。前回は、まだムッシュがいなかったから、少なくとも4年以上前だ。
いつも駐車場が大混雑するし、絶好の散歩日和でもあったので、今回は清里の森の出口近くの駐車場に車を置いて、歩いて行こうということになった。ポール・ラッシュ通り(いわゆる“清泉寮通り”)に出るのは、サイクリング・ロードやハイキング・コースのある森を横切って行けば直ぐなので、高をくくっていたが、そこから会場までが、思い込んでいたよりはるかに遠かった。車のときはごくわずかの距離にしか感じていなかったけれども、上り坂ということもあって、けっこうキツかった。会場内を歩き回ったのを別にして、往復4~5キロは歩いたような気がする。

でも、たいへんな人出で大賑わい。家族連れ、若い女性グループが多く、みんな楽しそうな表情をしていた。ムッシュも、久しぶりに沢山の人の中に入って可愛がってもらい、また沢山のお友達とも遊べて大喜び。そろそろ8歳になろうかというのに、元気に全コースを歩ききった。
前回来たときには、ちょうど中村誠一バンドがジャズを演奏していてノリノリで楽しんだが、今回はアトラクションに時間が合わず、テント・ショップ覗きと散策だけ。顔馴染みの「ホテル・ハットウォルデン」や「いずみきのこ園」も出店していたが、とりたてて欲しいと思うほどのものはなく、買ったのは、長野県から来ていた店のリンゴと、静岡県からの店のミカンのみ。

帰り道、あらためて気がついたが、山からの風が吹き抜ける森のメインストリートは、もうすっかり、真っ赤・真っ黄色に彩られていた。八ヶ岳山麓全体としての紅葉は、どうやら今週から来週一杯が見ごろの模様。

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