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2008年5月19日 (月)

リーダーズダイジェスト 日本市場へ再参入?

先週末、年1回5月中旬ごろを期して開催される日本リーダーズダイジェストの同窓会があった。けれども今年は、どうしても変更できない予定と重なって、出席できなかった。事後に、出席した友人に様子を聞いたら、だいたいいつも通りの参加状況で、珍しい顔も、1~2人見られたらしい。
国内の大企業などと違って、今ではこの日本に存在していない会社なのだが、開催場所が旧社屋のあった竹橋の、パレスサイドビル内のレストラン「アラスカ」なので、参加者のそれぞれが、その辺りの現在に、かつての自分の懐かしい思い出を重ねつつ集うのだろう。毎回数十人が顔を出す。特にイベントがあるわけでもなし、お互いの息災を確かめ合って、世間話をするだけなのだが...。あの会社にはどこかに、そうさせる求心力のようなものがあるのかも知れない。

リーダーズダイジェスト(ビジネスのスタイルも含め、その象徴としての雑誌リーダーズダイジェスト)については、人によって(といっても、もはや現在では一部の人にしか知られていない存在だろうが)評価がマチマチで、ひどく辛口のコメントをする人もいれば、とても好意的に受け止めてくれている人もいる。
現に、グーグルでもヤフーでも、このキーワードで検索すると実にいろいろな記事に行き当たって、散々なことを言っている人もいれば、1986年以来の日本語版無期休刊を惜しんで、いまだに再発刊を望んでいる人もいる。

このブログでも過去1~2度、リーダーズダイジェストのことを書いたが、旧社員か旧顧客かはわからないけれども、その記事には、掲載時だけでなくいつまで経っても、結構な頻度のコンスタントなアクセスがあって驚かされる。
また、2004年から2005年にかけて業界紙とウエブサイトで連載した自伝的ビジネス・エッセー「ダイレクトマーケティング・グラフィティー」も、有難いことに、かなりの方に読んでいただいているようだ。まあ、こちらの読者は多分、友人か旧リーダーズダイジェスト関係者、およびビジネスがらみの知人だと思うが。

ところで、今回リーダーズダイジェストの話を持ち出したのには、同窓会の他にもわけがある。実は、ちょうどそれと前後するタイミングで、リーダーズダイジェストの日本市場での最近の動向についての質問というかたちでのコメントが、わがブログについたのだ。
どうやら、かつてのリーダーズダイジェストの愛読者で、拙ブログも時々読んでくださっているらしい方からのコメント(というか質問)で、Wikipediaに“リーダーズダージェストが「リーダーズダイジェスト・ジャパン」という名で昨年度から日本市場に再参入”という記事が出ているが、もしやこの中澤が関わっているのでは?日本で何か商品を販売しているようだが、どうしたら手に入るのか?という内容だった。

自分の思い出の中のリーダーズダイジェストは、とっくに心の中で完結しており、現実の場でいまさら何が始まろうとあまり関心がないが、自分の名前をあげて尋ねられると何となく気にはなるので、この方が教えてくださったリーダーズダイジェスト・ジャパンなるものの公式ウエブサイト(http://readersdigest.co.jp)にアクセスしてみた。
すると、いきなり、“総額380万円キャンペーン 大賞200万円、スーパー・ボーナス50万円、その他賞金総額130万円以上、 ビジネスクラスで行くオーストラリア旅行が当る!”といううたい文句とコアラのビジュアル、そしてReader’s Digestの英文ロゴの下に小さなゴシック文字の片仮名でリーダーズダイジェスト・ジャパンと入った、ダイレクトメールの外封筒のようなデザインの画面が飛び出してきたではないか。まるで、40年以上前の“スゥイープステイクス”(一種のオープン懸賞)のチラシで、これを見ただけでは、何が目的のサイトなのかわからないし、色彩も、ピンクの地に青と黄色の文字と、あまりセンスがよろしくないので、いささか怪しげな感じがする。

“なんだコリャ!”と思いながら、そのサイトの「特定商取引法に基づく表示」「プライバシーポリシー」なるページに読み進んでみると、これはどうやら、通信販売の見込客を導入するのが目的のようで、オーストラリア(シドニー)のリーダーズダイジェスト社内に運営(多分懸賞キャンペーンの)責任者がおり、香川県高松市の大手通販会社「C社」が商品の販売代理店となって、「リーダーズダイジェスト・ジャパン」と名乗る販売業者が、価格5980円プラス送料・手数料580円の書籍を販売しているらしいことが読み取れた。
そして、懸賞応募者や商品購入者のデータは、この業者が後続新商品を販売する際に使用され、他社の利用にも供される場合があり得ることが断り書きされていた。

暇でもないのにもの好きなとは思ったが、C社のコールセンターに尋ねてみたら、確かにC社は代理店になっており、事務所も同社内に存在していることはわかった。ただし、詳しいことは直接、0120-65-1855(リーダーズダイジェスト・ジャパン)に聞いて欲しいとのこと。で、それ以上時間をかけて詮索もしなかったが、これを、リーダーズダイジェストの日本市場再参入と考えたら、いささか腑に落ちない。
商品が日本語の出版物だとしたら(日本人向けに販売しているのだから当然そうだろうが)、その編集品質を誰が責任を持ってチェックしているのだろう?リーダーズダイジェストの出版物だとしたら、なぜしかるべき出版社が販売代理店になっていないのだろう?リーダーズダイジェスト・ジャパンと名乗っていながら、なぜそれ以上の実態を明らかにしていないのだろう?等々、次々と疑問が湧き起こってきた。

第一、リーダーズダージェストという会社が日本市場に進出するのに、オーストラリアだ、他の通販会社だという、回りくどいチャネルを利用するはずがない。さんざん市場調査やテストを重ねた上で、可能性が確かめられれば、正攻法で再進出してくるはずだ。
聞くところによればこれまでにも、リーダーズダイジェスト誌再刊の話は何度か持ち上がったことがあるらしいが、その度に立ち消えになっては、またしばらくして再燃というパターンを繰り返してきたということだ。そう言っていた消息通も、この話は知らなかった。

それ故、勝手に決め付けるわけにも行かないが、どうもこれは、リーダーズダイジェストのブランドが責任を持てるようなものではないような気がする(そうでなければ幸いだが)。過去に愛してくださったからこそ関心を持たれた方々は、前記のウエブサイトにアクセスし、フリーダイヤルで詳しく実情を問い質してみられた方が良いのではないだろうか?
コメントを寄せてくださったJさん、アドレスがわからないのでこのページでお答えするかたちになりましたが、こんな見解でよろしいでしょうか?

それにしても、忌憚なく言わせてもらえば、これについての商売のかたちと訴求のし方は、今どき驚くほど古臭い。自分などがとやかく言う筋合いのものではないのかもしれないけれども、リーダーズダイジェストの名前がこういうかたちで出てくると、かつてそこに在籍し学んだ多くのことを自分のベースにし誇りにもしている者としては、憮然とした気持ちになってしまう。

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コメント

カレッタ汐留で開催中の「広告青春時代-昭和の広告展Ⅱ」で、リーダーズダイジェストが展示されてました。

投稿: 課長007 | 2008年9月21日 (日) 17時27分

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