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2008年4月21日 (月)

アウトレット

先日、どの局だったか忘れたが朝のテレビ番組で、“店舗数日本最多のアウトレット誕生!”というニュースをレポートしていた。オープン当日の模様の中継らしかったが、埼玉県のかなり奥の方というのにたいへんな人出で、そこまでの道路も大渋滞しているようだった。アウトレットと聞くとすぐに、ニューヨーク郊外の「ウッドベリー・コモン」のような広大な敷地内に建ち並ぶ平屋の店舗を思い出すが、ここはそれほど敷地が広くないのか、2階建ての建物の内側に吹き抜けの空間を廻らせた回廊スタイルのようで、画面からはむしろ、アメリカ西海岸などによくある大型ショッピングモールのつくりに近いようにも見えた。でも、最大級のウッドベリー・コモンでも220店舗くらいだから、204店舗といえば確かに多い方だろう。
日本にもいつの間にかこのほかにも、軽井沢や小淵沢、御殿場に南大沢、そして幕張に横浜と、あちこちに続々とアウトレットがオープンし、けっこう盛況ということは聞いているが、そのうち自分が行ってみたことがあるのは、山荘からそれほど遠くない小淵沢の「八ヶ岳リゾート・アウトレット」だけ。環境的にはいかにもそれらしかったが、店舗は数十店(いまは70店くらい?)という可愛らしい規模で、自分のような年輩の者にはあまり馴染みのないところばかり。そのためか、さして買物をしたい気も起こらなかった。

もっとも日本でなくとも、かつては、アウトレットに対する自分の関心はそんなもので、90年代の初めごろ仕事でニュージャージーのM電器北米オフィスを訪ねたときに現地駐在の人から聞いて、その近くにあったそういうショッピング施設の存在は知っていたが、その2~3年後に家内に請われてウッドベリー・コモンに行ってみるまでは、ついぞ興味が湧かなかった。というか、そのころは仕事のことで頭がいっぱいだったからショッピングにまでは気が回らなかった、と言った方が正しいかも知れない。
そんなわけで、初めて行ったのは家内を最初にニューヨークに同道した際。自分はそのとき「ジョン・ケープルズ・アワード」の審査のため何だかんだと3日間は拘束されていたので、その前の1日をアウトレットに、後の1日を観劇に付き合った。

最初は自分も、アウトレットに行くについての勝手がよくわからなかったので、面倒のないようにローカル・ツアーのバスに乗ったが、家内はたちまち要領を飲み込んだようで、滞在中に再度、しかも一人で、42丁目のポートオーソリティ・バスターミナル発着の路線バスで出かけた。彼女はこのときまで他の国には何度も旅行しているが、ニューヨークは初めてで、普通ならあんな遠いところへ一人で出かけるのは躊躇するはずなのに、驚くべき行動力を発揮し、しこたま、1回目で買い損ねた子供たちへの土産を買い込んできた。長男のブリーフケース、次男の革ジャン、娘のハンドバック、などなど。ホテルに戻ったとき、また行ってきたと聞いて、ビックリすると同時にさぞ重かったろうと思ったが、クーポンを目いっぱい駆使してベスト・バイができたらしく、ニコニコだった。
その後も数回、毎年ニューヨークに行くたびに一緒にウッドベリー・コモン詣でをしたが、以来リーダーシップはすっかり家内の方に。いつも現地に着くと直ちに、彼女の“解散”の号令と共に二手に分かれ、あとは指定された時間に、昼食と帰りのバスのために顔を合わせるだけ。何しろあの沢山の店舗を二人一緒に回っていたら、文字通り日が暮れてしまうからだ。家内は確か自分とのほかにも、娘と一緒に2~3度は行っているはずで、そのバイタリティーには、いま考えても、ほとほと頭が下がる。

でも、ある程度経つとこういうところは飽きがくるのかも知れず、いつの間にか彼女もアウトレットには行かなくなり、90年代後半からは、マンハッタン内の各デパートや、専門店などで上手な買い物をするようになった。いわゆる“ホリデー・シーズン”ならば、思いがけないお得なショッピングができるからだ。
いろいろ理由があって、彼女はニューヨークにはしばらくご無沙汰しているので、テレビなどで街の様子が映るたびにウズウズしているようだが、今年か来年のうちにまた行こうと、そしてそのときはボストンまで足を伸ばそうと語り合っている。何やかやでなかなか出かけられないでいるが、お互いにだんだん体力が衰えてきていることだし、早いうちに実現しなければと思っている。

アウトレットといえば、ハワイ・オアフ島の「ワイケレ」にも行ったことがある。ホノルル市内には大規模な免税店があり、日本人向けのほとんどの買い物はそこで済むのだが、ワイケレでは何が買えるのか一度見ておこうということで出かけてみた。いまはダウンタウンから直行のトロリーバスが出ていて1時間足らずで行けるらしいが、そのときは、午前中に美術館を訪ねた後で急に思い立って、館前のバス停からとりあえず乗車。ワイケレ行きの路線を尋ねながら3本ほど乗り継ぎ、1時間半くらいかけてたどりついた。
不能率といえばそうだったかも知れないが、田舎へ向かう、ほとんどが現地の人ばかりのバス中、タガログ語訛りの人懐っこい隣席の小父さんと話し込んだり、途中乗り換えのための山の中のバスプールでは、その小父さんが一たん別れた後、行き先を間違えないようにと心配して確認に戻ってきてくれたりと、日本人観光客だらけのホノルル市内にいては味わえない、ローカルならではの温かい心遣いに触れることができて、とてもほのぼのとした気持ちにさせられた。

ワイケレでの買い物は、ブランド品などは初めから当てにしておらず、現地のものに集中した。種類の多さに戸惑いながらもコナ・コーヒーのパックを山ほど買い込み、ハワイならではの巨大園芸専門店で、日本ではなかなか手に入らない(と家内が言う)添加剤や用具・用品などを仕入れてきた。
来るときは好き好んで路線バスを利用したため、乗り換えのたびに炎天下に晒されて茹だるようだったが、帰りはたまたま市内にもどるご一行のバスに乗り合わせることができ、ギンギンにクーラーを利かせた車内が寒いほどだった。

あれから随分、ああいうところには行っていないが、思い返してみると家内も自分も、あのころは本当に元気でもの好きだったと思う。外国であれ国内であれ、いまではもう、とても行こうという気力が湧いてこない。これが歳をとったということなのだろうか...。

冒頭のテレビ・ニュースの画面で、遠いところから時間を掛けてアウトレットのオープンに押しかける人々を見て、正直のところそのエネルギーを羨ましいとも思った。

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