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2007年12月17日 (月)

クリスマス・イルミネーション

いつ頃からだろうか、12月に入るとあちこちの郊外住宅地の一般家庭で、競うように自分の家屋を、クリスマス仕様のイルミネーションで飾り立てるのが流行りになった。元祖はニューヨークのブルックリンあたりだと思うが、それを見てきた海外駐在帰りの家庭などで、子供にせがまれて仕方なくやっているのか、それとも親自身もそれをするのが楽しくて一つの生きがいみたいなものになっているのかわからないが、いずれにしても、金も手間もかかるだろうによくやるものだと、ある種の敬意を禁じ得ない。
自分がいま住んでいる場所に引っ越してきた四半世紀前は、近辺にはいたるところに、宅地造成したままで擁壁も道路もない広い空き地があり、自分の家から道路一つ隔てたあたりもそうだったが、この数年の間にどこもビッシリと建売住宅が立ち並び、働き盛りの親と育ち盛りの子供たちから成る若い家族がどんどん入居してきて、いつからかこういった光景が繰り広げられるようになった。日の落ちるのが早くなったこのごろは、すっかり暗くなってしまった中でムッシュの散歩をさせるときなど、近所のところどころで、あるいは派手やかな、あるいは慎ましやかな、そんな灯りが目に入るようになり、今年ももう残り少なくなったかと改めて気づかされる。

この時季になると、最寄りの私鉄駅前広場にも、電飾を施したツリーが立てられ(というよりも、もともと植えてあった木をライトアップしたという方が正確か)、付近の街路樹も美しい豆電球で彩られるが、これはこれで今や、季節の風物詩として街の中に溶け込んでいる感があり、なかなか好もしい。
東京都内でも昨今は、丸の内、新宿、六本木、渋谷、汐留、その他あちこちに、豪華な電飾ツリーが立てられているらしいが、夜出歩くことがメッキリ少なくなった自分は、今のところまだ、実物にお目にかかっていないので、感想を述べることもできない。むしろ、こう言っては気障になるが、ニューヨークのクリスマス・イルミネーションのことならば、何度もいろいろなところに足を運んでいるので、多少なりともコメントできる。

で、ニューヨークと言えば、圧巻はやはりマンハッタンの「ロックフェラー・センター」ではないだろうか。巨大さはもちろん歴史の古さから言っても、おそらく全米一(もしかしたら世界一?)と思う。全国を探し回って切り出してくる20~30メートルの巨木を飾る数万個の電球が一斉に点燈される毎年12月初めの夜は、広場の地階にあるオープン・スケートリンクが営業していることもあって、あたり一帯はたいへんな人出になる。普段なら、その場所その時間にはまず見かけることのない子供たちや、国内各州・世界各国からのビジターとわかる老若男女がドッと繰り出しているのも、このシーズンならではのことだ。
例年なら我々夫婦は、この時期にはここに来ているところ。それを知っている人からは“アレ、今年はまだですか?”などと訝しがられるのだが、残念ながらこのところ、二人揃ってはニューヨークに出かけていない(自分だけでは仕事で6月に行ってきたが)。昨年は何だかんだ贅沢を言っているうちにホテルがとれなくなってしまい、今年も、年内に目処をつけたい家庭内プロジェクトがあったため、とうとう実現できなかった。ので、せめてもといま、テレビのレポートやインターネット・ニュースで現地の様子を偲んでいる。

アベニュー・オブ・アメリカ(6番街)と7番街の間で53~54丁目にあるホテルを定宿にしているので、ロックフェラー・センターにはいつも歩いて行く。チェックインしたその夜に早速、荷物も解かないうちに街に飛び出すのだが、プレ・クリスマスのこの時期は、広い舗道も人・人・人でごった返し、頬を刺すような厳しい寒気も気にならない。
毎年飽きもせずここに来て、華麗に煌く巨大ツリーを何度も見上げ、クリスマス・キャロルに乗って氷上をリズミカルに滑る人々をしばらく眺めては、道々で行き交う家族連れなどと頬笑みを交わしたりするのだが、どの顔もそれなりに幸せそうで、こちらも思わずフレンドリーな気分になり心が温まる。

このツリーに向かって5番街の方から入る、中央に水路を配した庭園歩道があり、その水路の両側にはやはりこの時期になると、“笛吹き天使”と名づけられたワイヤー・アートが数体立てられるが、これがまた金色に燦然と光り輝いて何とも美しい。
ところで、この笛吹き天使を前景に、そして重厚なロックフェラー・センターのメイン・タワーを背景に、華やかな主役のツリーがその中心に位置して、まるで額縁に入った絵のようなアングルで真正面から一望できるスポットがあるのをご存知だろうか?デパート「サックス・フィフス・アベニュー」の4・5階、レディース・ファッション売場の5番街側の窓がそれ。家内の買い物に付き合っているうちに気がついた。ニューヨーク暮らしの長い方はとうにご存知かも知れないが、そうでない方は、今度この時期に行かれたとき、買い物ついでにぜひチェックされるといい。

もちろん、ニューヨークのクリスマス・イルミネーションの見どころは、ロックフェラー・センターばかりではない。他にも沢山あるが、その中で自分も実際に足を運んでおり、これはいいと思っているのは、コロンバス・サークル先の「リンカーン・センター」とフルトン・ストリート先の「サウス・ストリート・シーポート」。
リンカーン・センターのツリーは、さすがにアカデミックな場所だけあって、華やかさというよりは落ちついた美しさがあり、白色の気品のある輝きにはセンスの良さが感じられ、サウス・ストリート・シーポートはそれと対照的に、魚市場の傍だけにチョッと魚臭いが、足元の磨り減った旧い石畳に何とも風情が感じられ、ツリーの一部に組み込まれた格好で歌うオヤジ合唱隊(コーラス・ツリー)のクリスマス・ソングが楽しい。

...などと、ご近所から東京都内へ、さらにはニューヨークへまでも思いを巡らせているうちに、フと、3人の子供たちがまだ小さかった頃、オモチャの点滅電球を飾ったプラスティックのツリーを囲み家内の手作りケーキで団欒した、わが家のささやかなクリスマスイブが脳裡に蘇った。彼らは今年、それぞれのイブをどう過ごすのだろうか?

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