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2007年11月 5日 (月)

オンライン・ショッピングあれこれ

立場を替えて言うと“オンライン・コマース”、平たく言えば“ネット通販”のことだが、自分はダイレクトマーケティングを専門にしていることから仕事でかなり深く関わっている割には、あまりオンラインでの買い物はしていない。が、改めて考えてみると、それでもときどき、幾つかの種類の商品はオンラインで買っている。書籍・CD・DVD、それにいま使っているパソコン、物品ではないが、旅行・保険、そしてアンチ・スパムやネット・セキュリティのためのソフトウエアなどもそうだ。
なぜオンラインで買ったかと言えば、“欲しいものを見つけ出すのに便利だったから”、あるいは“実店舗にはなかったがオンラインストアにはあったから”、“これまで買っていたものを引き続き買うのに便利だったから”などということで、必ずしも、一般的な通販の利便とされている“居ながらにして注文でき自宅に届くから便利”ということではない。

まあ、買いたいものによって、それを見つけるため実際に店に足を運んだり、ウエブサイトにアクセスしたりしているわけだが、オンラインで買い物をするときには、インターネットは便利だなとつくづく感心させられることがある半面、イライラさせられて欲求不満に陥ってしまうこともあり、消費者としての立場からは、まだまだ研究して欲しい余地のある開発途上の商法だと思っている。
...といったことをかねがね感じていたわけだが、最近仕事がらみで海外の情報・資料にあたっていて、そんな自分の体験や思いにどこか通じると思える話を目にした。ので、後日何かの参考になるかも知れないと、ひとつふたつ備忘ログっておくことに。

一つは、“物流”の話。通販の物流は宅配と相場が決まっている感があるが、これは便利なようでいて、消費者にとっては悩ましい点もある。受け取るタイミングに自分の在宅時間を合わせなければならないし、価格の安い商品だとそれにくらべて割高な気がする配送料を負担しなければならないといったことがあるからだ。
だが、書籍・CD・DVD・ソフトウエアなどをネット通販している「セブンアンドワイ」や総合カタログ通販の「ディノス」などでは、コンビニ(前者はセブンイレブンのみ、後者はローソン、ファミリーマート、ミニストップ、スリーエフほか)店頭で受け取ればどんな価格の商品でも配送料が無料になるサービスのオプションを提供しており、自分の都合に合わせて受け取ることができるようになっているので、なかなか気が利いていると注目し、また利用もしている。

ところで最近、米国のチェーンストア業界では、オンラインで買い物をした客にその品を店で受け取る方法を勧めることが多くなってきているという。その方が客にとって、より多くの商品からの選択が可能になり、かつ配送コストを負担しないで済むようになるからで、さらに客は、店に商品を受け取りにきたついでに別の品物も買うケースが多いので、小売業者にとっても予想外の利得になるというのだ。
世界最大の小売企業「ウォルマート」は、3年間の試行を繰り返してこれを実証し、いよいよこの9月から、“Shop-on-line, Pick-up-in-store”(オンラインで買って店でお受け取り、通称“Site-to-Store”)という新プログラムをロールアウト(本格的実施)することにした。同社のオンラインストアWalmart.comで購入した商品を、配送料を負担することなく、全国に3,300店ある最寄りの店舗で受け取れるというサービスである。これまでのところでは、全オンライン購入客の3分の一がこのプログラムを利用し、注文した品を店に受け取りにきた客の60%が、ついでにプラス60㌦相当の買い物をして行くことが判明し、ウォルマート自身もこれまで負担していた個別配送費を500万㌦減らし、環境保護の観点からも、毎週1000ガロンのガソリンと20,000個の段ボール箱を節約できるようになったという。

ウォルマートだけでなく「エース・ハードウェア」という工具・園芸用具の小売チェーンも2003年以来、店舗に陳列できないような大型商品をオンラインショップAce.comで受注しフランチャイズ店で受け取れるようにして、同じような成功を収めており、「ベスト・バイ」「サーキット・シティ」「シアーズ」なども、年末商戦などの期間を限ってではあるがこのプログラムを採り入れている。
率直に言ってこのプログラムには、まだまだ議論の余地があることは明らかだが、少なくとも“オンラインショッピングをオフラインと結合したときには店舗への新規客が増える”、“客と小売業者の両方に配送費の節約効果をもたらす”ということは言え、わが国のデパートやスーパーなどのチェーン小売業界でも、大いに検討してみる必要がありそうだ。

もう一つの話は“顧客サービス”。保険やクレジットカード、それにソフトウエアの購入申し込みや契約更新のときなどは、長ったらしくて複雑な約款があり、それを承諾しないと次のステップに進めないようになっているが、自分などは全部読む根気がないので、相手の企業を信用してほとんど読まずに“イエス”の方をクリックしてしまう。その上ソフトウエアをダウンロードするときなどは、指示・説明の文章がどうしてこんな日本語を使うのかと思うほど解りにくく、頭が痛くなってしまう。
で、そんなときは、画面を見ながら電話をかけて意味を聞きたくなるのだが、こういうものに限って電話番号が掲示されておらず、Eメールで問い合わせなければならないシステムになっている。解らないところをどう書いたらいいかもわからないから直接聞きたいのに!そのくせ、“受注確認”後のメールにはチャンと、“お客様問い合わせ用電話番号”が載っているのだ。さすがに保険やクレジットカードや旅行などのサイト、Eメールには、客のITレベルを考えてか、最初から電話番号も記載されているが、ソフトウエア・メーカーは、オンラインショッピングする客はEメールさえあれば十分と思っているらしい。

“オンライン・コマースの顧客サービスには電話が必要か?メールだけで十分か?”という問題については、米国でもいま経営の厳しい現実と顧客ニーズの狭間で、見解が両極に分かれているようだ。またウォルマートの話になるが、同社はこの10月から、顧客対応経費削減策の一環として、同社のオンライン販売部門Walmart.comの顧客サービス用の電話受信を一切とり止め、問い合わせその他はすべてメールで受け付けることにした。つまりこれまで記載されていた1-800Walmartという無料電話の番号はもちろん他の電話番号も、ウエブ上から消えてなくなることになったのだ。
その理由を同社では、ほとんどの電話は受注・配送状況の問い合わせであり、それならウエブで見てもらう方が簡単で、実際に多くの客がそうしていると言っているが、今回の決定に対しては早くも各方面から、“長期的に見て業績に大きな影響を及ぼしかねない無謀な策だ”との危惧の声が上がっているという。Amazon.comなども顧客対応をEメール中心にシフトしていて一見ウォルマートと同じように見えるが、こちらは電話による対応を完全に止めてしまっているわけではなく、商品をカートに入れる段階まで進んだところで番号が現れるという巧妙な仕組みにしている。

これに正反対の策をこの7月から打ち出したのが、オンライン映画レンタルでは世界最大と言われている米国の「ネットフリックス」で、Eメールによる顧客サービスを止め、顧客からの質問・苦情・提案すべてを、1日24時間年中無休体制で、もっぱら電話チャネルのみで受け付けるということにした。これまた、あまりにも思い切った戦略と思ったが、その根拠としては、電話中心の顧客サービスで定評のある「アメリカンエキスプレス」や「サウスウエスト航空」などのケースを研究し尽くし、慎重かつ多角的なリサーチを重ねた結果としての確信があったようだ。
これは、批判されつつも背に腹は変えられず、大勢として顧客サービスのオンライン集中化の方向に進まざるを得なくなってきている米国にあっては、きわめて異例なこと。しかし、これ以上の成長が望めない過当競争市場だからこそ、顧客のナマの声に耳を傾け、あえて顧客により近づくことは、競合他社を差異化するための策として有効に作用するに違いないという、違った視点からの注目がこれに集まっていることもまた事実である。

結局は企業全体の経営の問題に帰することだから、今の時点ではこの2社のどちらが英断でどちらが暴挙とも言えないが、根がアナログ人間の個人消費者としての自分としては、どちらかと言えば電話のある方が有難い。サテ皆さんはどうだろう?

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