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2007年11月12日 (月)

犬と私の10の約束

幸か不幸か、仕事柄、広告をあまり素直な目で見ることができない。でも、週刊誌上のさして目立っていたわけでもなかったモノクロ1ページのこの本の広告は、なぜか目に留まった。「犬と私の10の約束」――自然にスッとコピーを読まされてしまい、心に残った。で、近所の書店へ行ってみたら、平台のいちばん目立つところに沢山積んであった。その時すでに評判になっており、よく売れつつあったようだ。
元来、へそ曲がりなところがあるので、いつも、ベストセラーになったものは新刊のうちには飛びつく気になれず、時間が経って文庫版になったところで買っているのだが、この本はなぜか、それまで待とうと思わなかった。直ぐにでも読みたいと思って、買ってきた。家内も、どこかで評判を聞きつけていたらしく、“あゝ、買ってきたの...読んだら私にも見せてね”と言っていた。

あまり詳しい話をしてしまうと、これから読む人には興醒めだろうから、あえて本の内容には言及しないが、タイトルから想像がつくように、犬とその飼い主家族およびその周辺の人々との心の通い合いを、主人公が少女期から大人になって行く様子と重ねて、童話のようにさり気ない語り言葉で綴った一編だ。
一気に読了して、何か心が和んだような、またしみじみとした気分になった、最近では久々に後味の良い読後感の本だったが、家内も同様だったらしく、どちらからともなく“いい本だったね” と短い感想を交わした。犬を可愛がっている人ならきっとそうなると思うが、自分も読んでいて何ヵ所かで、わが家のムッシュのことに思いを馳せ、独り思わず、ウルッとなってしまった。

ムッシュはつい先日、7歳になった。見た目が“動く縫いぐるみ”なので、どうしても子犬のように思えてならず、幼児語で話しかけてしまうが、人間で言えばもう立派な一人前の大人。そのためか、この頃はとみに、こちらの言うことがよくわかるようだ。
ペットとしての基本的なしつけ・日常生活がらみの言葉や「パパ」「ママ」「お兄さん」「お姉さん」「小父さん」「小母さん」「赤ちゃん」「先生」(ペットクリニックの)などは当然だが、「こっち」「あっち」「お庭」「お外」「公園」「グラウンド」「ブーブ」(自動車のこと)などの場所を表わす言葉、「出る」「入る」「行く」「帰る」という行動を表わす言葉、それに固有名詞もわかる。親しい数匹のお友達ワンちゃんの名前はもちろん、驚いたことにはママとよく行くスーパーの名前「丸正」や、散歩のキーポイントになっている直ぐそばの小さなお社「御嶽神社」まで覚えた。ホントである。“丸正まで行くかい”と言って本人(本犬?)にまかせていると間違いなくそちらへ向かうし、“御嶽神社のところで曲がろう”というとチャンとそこで曲がるから驚く。

興味のない方にはどうでもいい話かも知れないが、「犬と...」にある10の約束のうちの一つ「私にたくさん話しかけてください、人のことばは話せないけれどわかっています」は、まったくその通り。ムッシュも人間の言葉を話せたら、どれだけお喋りをしたいかと思う。

愛犬ムッシュ

愛犬ムッシュ
面白いのは、家の中で真の実権をもっているのが誰かをよく知っていること。彼がボスと思っている人に対しては実にロイヤルだが、ボスより立場が弱いと認識している者に対しては、ボスに対してほど言うことを聞かない。 たとえば、自分が在宅していてお天気も良い日には必ず午前と午後に1回ずつ散歩をさせることにしているのだが、その際自分が“ムッシュ、お散歩に行こう”と声をかけても、ママに“行ってらっしゃい”と言われるまでは絶対にパパの方には来ず、“社長、係長がああ言っていますが、どうしましょう?”とでも言いたげに家内の方を見て、その指示を待っている。また、オヤツをあげるときに“お手”をさせようとすると、ママにはキチンと座って片手ずつするのに、自分には腰を浮かし両手で、“それどころじゃあないョ、早くくれョ”という態度をする。実に可笑しくて、何度でも笑ってしまう。

そんな、幾つになっても相変わらずヤンチャなムッシュだが、この頃は“大人になったな”と感心させられることも度々ある。人間の幼児は嫌いじゃないけれども弄くりまわされるのが好きではないので、よその子には、散歩のときなど傍まで近づいて行っては逃げ帰るのが常なのだが、ときどき訪れる長女の娘は家族の一員と認識したらしく、あちこち触られてもジッと我慢して座っており、追いかけられても逃げ回らなくなってきた。 また、パパがドジをしてママに注意を受けているときなどは、二人の間に割って入って心配そうに両方の顔を交互に見上げ、何とかその場をとりなそうとする。そしてその後パパが自分の部屋に戻ると、トコトコ一緒についてきて、無言で足元に身体を寄せてくる。そんなときは何とも愛しくて、小さな声で“有難うョ”と囁きかけ、やはりあの本にあった、「私にも心があることを忘れないでください」という約束を思い浮かべる。

「私を信じてください、それだけで私は幸せです」という約束も、実感として胸を打つ。この家に来たばかりの頃と違ってすっかり落ち着き、傍らに座って自分たちを信じきった円らな目で見上げるムッシュを見ていると、その幸せをいつまでも続けさせてやりたいとつくづく思う。

今回は、身内ネタのペット談義で失礼をばいたしました。

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