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2007年9月17日 (月)

優しい時間

愛犬ムッシュ 10日ほど前、購読しているA新聞の別刷版に映画俳優・監督の奥田瑛二が書いていた愛犬との話を読んで、ウルッときた。故あって遠く離れた訓練所に預け、2年間別れて暮らさなければならなかったが、再会したときは遠くから全速力で駆けてきて、10メートルも跳んだかと思うほどの大ジャンプで抱きついてきて感動した、犬も涙を流すのを初めて見た、という話だった。
わが家の愛犬ムッシュも、度々ここで書いているように2年半前愛犬ムッシュ にわが家に来て、今でこそすっかり我が家に馴染み、なくてはならない家族の一員になってくれたが、それでも、生まれてから4年近くを過ごした最初の家と人の記憶は、あの小さな頭の中にしっかりと刻み込まれているに違いない。散歩の途中などで、前の飼い主に似ているらしい母娘(次男から話を聞いているだけで直接会ったことはない)を見かけると、ふと立ち止まって、遠くを見る瞳になる。それを見ているとこちらも、今の暮らしを幸せと思ってくれているのだろうかと何だか切なくなるし、たまに粗相をしてしまったときに妙に悲しそうな醒めた表情になるのを見ると、やはりまだ気を遣っているのだろうかと可哀そうになる。

でもこの頃は、そんなことを気にしなくてもいいくらい、すっかり気持ちが通じ合い、お互いの間に信頼関係ができたようにも思う。ムッシュは人間の言葉こそしゃべらないが、こちらの言っていることはまずほとんど理解しているし、最近は自分の方も、彼の言いたいことがかなりわかるようになってきた。啼き声や仕草や、家内や自分に向かって示す態度によって、何となく判断できるのだ。
日中、家内が買い物に出かけるときなど、以前だと、淋しがって大変な騒ぎになるので、そっと勝手口から音を立てぬように出入りしたものだったが、今では、“ママはお買い物だから、ムッシュはパパとお留守番してようネー”というと、それをチャンと理解して、家内が玄関から出て行くのを、騒がずに見送るようになった。

そしてその後も、“ママはもうちょっとしたら帰ってくるから、パパのお部屋で遊んでいなさい。”と言うと、1時間でも2時間でも、自分の仕事椅子の真後ろに座り込んで、大人しく家内の帰りを待っている。お蔭でこの頃は、ムッシュの面倒見で度々仕事を中断しなくて済むようになった。また、一緒に車に乗って、パパとママの用事で銀行や車のディーラーなどへ出かけたときにも、車中はもちろん、そこの人と相談や打ち合わせをしている間中かなり長時間でも、話が終るまでジッと大人しく待っていて、“ほんとによくできたワンちゃんですね”と感心される。事前によく言って聞かせていると、チャンとそれがわかって、言いつけを守れるようになったのだ。
ムッシュは、この子は生来無口なのかと思うくらい、家では無駄吠えを一切しないし、外でも、人にも犬にも吠えたのを聞いたことがない。だから啼くときはだいたい理由が決まっていて、まだ飼育歴の浅い自分たちにも、その意味がわかるようになってきた。

夜はふつう、夕食の1時間後、午後7時過ぎにはハウス(ケージ)で就寝の体勢に入るのだが、犬とういう動物の天性か、全員が寝静まる夜半までは熟睡していないらしく、その分朝寝坊だ。最初のころと違って最近は、夜中には滅多に声を出さなくなったが、時たま寝ぼけて“ェン、ェン”と泣いたり、外で物音がしたりすると小さな身体に似合わぬ太い声で“ゥワン、ゥワン”と叫んだりすることはある。でも、“大丈夫だよ”と一声かけてやると、直ぐに啼き止み、朝は早くて8時半、遅い時には9時過ぎまで寝ている。きっとパパとママを信頼して、安心しきっているのだろう。
目が覚めると、(ボク、起きた!)とでも言うように、短く小声で“ヮン!”と言って知らせるので、“オハヨー、オハヨー”と言いながらケージの出入り口を開けてやると、自分にはほんの挨拶程度だけじゃれて、脱兎のごとくキッチンにいる家内の足元へ飛んで行き、そこでひっくり返って転げまわる。毎日のことだが、最大限の嬉しさの表現らしい。

感心するのは、ケージの中でグッスリ昼寝しているようなときでも、お腹の中にタイマーがセットされているのかと思うくらい、食事時間には厳しいこと。正午12時、午後6時を10分と過ぎないうちに、結構大きな声で“ワッ!! ワッ!!”(腹減ったー)と吠える。待たせていると、怒って(?)何度も吠えて催促するので、そんなときは“わかった、わかった”となだめながら餌を盛り付けていると、その足元で尻尾を振りながら待っている。
ただ、タップリと散歩をした上にお腹もスッキリした後の夕食は、ちょっと早めに、定刻の20分~30分前から催促が始まる。特に、家の中にパパだけしか居ないときにはわがまま  が出るようだ。“ちょっと待ってなさい!”と言うのだが、どれぐらいのチョッとなのかはわかるはずもないので啼き止まない。そこで一計を案じた。
デスクに置いてある目覚まし時計をムッシュの眼前に差し出して、“この針が、ここまで来たらご飯にしてあげるからね。それまで待ってるんだよ。”と、時計の文字盤と針を指差しながらよく言って聞かせ、その時計を彼の目の前に置いたままにしたら、右に左に盛んに首を傾げ、目をクルクルさせていたが、何と、効き目があってちゃんと待てた。ただ、一回だけでは本当にわかったかどうか疑問だったので、その後も何回か試してみたが、今のところ結構効いているような気がする。

ムッシュのことでは、他人から見れば他愛もない話が山ほどあり、書き出したらキリがないのでこの辺にしておくが、彼のお蔭でわが家には、今日も優しい時間が流れている。

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