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2007年5月22日 (火)

母の日は誰の日?

先だっての日曜日、午前中早々とチャイムが鳴ったので出てみると、娘から家内へ宛てた宅配便だった。箱を開けると、熊の赤ちゃんの縫いぐるみ(Tiny Bearというらしい)が、3色のミニバラの鉢を抱っこして入っていた。その愛らしい小ささは、先日遊びに来ていた娘の娘(すなわち孫)のようでもあり、我が家のムッシュのようでもあった。
それを見て家内は、“またインターネットで見つけたのかしら、こういうのが好きなんだから”と呟いていたが、顔はほころんでいた。

そうだ、「母の日」だった。娘も、一人の子を持つ母親になって、毎年のこの日をことさらに意識するようになったのだろうか。
さすがに娘は、昨年もその当日にお花を届けてきたが、せがれ達は父親にリマインドされるまでほとんど意識していなかった。仕事がいちばん忙しい年齢だし仕方がないとは思うが、元気そうに見えるので母親のことをあまり気にかけていなかったのではないのか。
それぞれ後日、けっこう高価なプレゼントを持ってやってきたけれども、そういうモノに金を使うのではなくて、母親には、普段からこまめに気を遣えというのだ。

今年は、長男が前の晩遅くに出張帰りだと電話してきて、翌日に来るようなことを言っていたが、何か催促がましくなると思い、母の日のことは敢えて言わなかった。次男はといえば、最近しばらく連絡がとれていなかったので、そろそろ顔見せに来るころかとは思っていても、その日を意識しているかどうかはまったく見当がつかなかった。
連中は、言えば思い出すのだが、黙っていれば多分忘れているはず。男はしょうがないものだと、自分も身に覚えのある父親は、母親とせがれ達の間でひとりやきもき。

それでも家内は、久しぶりに長男が来るというので、好物の冷シャブ用の牛肉を山ほど買い込み、昼のうちから準備を始めて夕方にはすっかり出来上がらせ、盛り付けた大皿を冷蔵庫にストック。ひょっとして次男も来ても大丈夫なようにと、ボリュームも十分に用意したようだ。ムッシュにも、“今日はお兄ちゃんが来るからねー”などと話しかけている。
そう聞いて大喜びのムッシュ(言葉がよくわかるのだ)は、お兄ちゃんが直ぐにも来るのかと思って玄関へすっ飛んで行き、ドアの内側で一生懸命耳をそばだてていたが、“今じゃないよ、後でだよ”と言うと、つまらなそうにトボトボと戻ってきた。ホントに可愛いヤツ。そんなにしょっちゅう来るわけではないのに、長男も次男も娘も孫も、みんな自分の心を許せる家族だと、直感的にわかっているらしい。

夕方、ムッシュを散歩させ帰ってきて玄関を入ると間もなく、外でブロロロロ.....という聞き覚えのある車の排気音が。まさか...と思ってドアを開けると、やっぱり次男だった。照れているときの癖で、わざと無表情をつくろって鼻の穴を膨らませ、大きなカーネーションのバスケットを提げて“ハイ、おふくろさんにプレゼント”と入ってきた。
なかなか連絡がつかないことに業を煮やし、今度来たら小言の2つか3つも言わなければといっていた家内も、これには機先を制された格好で、 “アラアラありがとう”と笑顔で言うほかなかった。

前後して長男から、沈んだ声で“どうも疲れがとれないし、仕事もしなければならないので、またにさせてもらおうかな...”と電話があった。が、“それはいいけれど、今夜はせっかく冷シャブにしたんだがなー”というと、とたんに声のトーンが変って、“行きます、行きます”だと。単純なんだからホントに。でも、これも父親ゆずりかも...。
で、すっかり食卓の用意が調ったころに長男が到着。忘れていたかと思ったら、これまたチャンとカーネーションの花束を抱えていた。家内は、“オヤオヤ今日はどうしたことでしょう、お花だらけネ”と苦笑していたが、内心は嬉しそうでもあった。

それからは、せがれ二人で(自分も参加したが)アッという間に山盛りの冷シャブをぺろり。ほかにも二人の好きなご馳走ばかりだったので、イヤハヤよく食ったこと。
自分もこのくらいの年齢の時はそうだったかと傍らの家内に尋ねると、“あなたはそれ以上でした”という証言が返ってきた。そうでしたか。それじゃあひとのことは言えません。

実は、ちょくちょく顔を出すと約束したはずなのに偶にしか訪れて来ず気ままに独り暮らしを楽しんでいる二人に、“両親はもう立派な高齢者だということを忘れるな”“そろそろ自分たちの先のことも考えろ”と、お説教をするつもりでいたのだが、久しぶりに顔を見せられ、殊勝げに母の日プレゼントなどをされて、家内も自分も、ツイ言いたいことの十分の一も話せなかった。連中の作戦勝ちか?

二人とも、美味しいものをお腹一杯いただいた上に、沢山の食料品・日用品のお土産を持たされ、喜んで帰っていったが、朝からずっと休みなく立ち働いていた家内は、それを見届けると堪らずダウン。今日は母の日だったはずだが、いちばん喜んだのは誰だろう?

家内が、“お母さま、今日ぐらいは何もしないで休んでいてください、ぜんぶ私たちがしますから”などと言ってもらえるのは、いつになるのだろうか?

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