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2006年12月11日 (月)

高齢者講習

まだあまり知られていないのではないかと思うが、「高齢者講習」なるものを受けてきた。健康維持やパソコンのではなく、ドライバーのための講習で、運転免許を更新する際の年齢が70歳以上になる人が更新手続きの前に受けることを義務づけられているものだ。

一月ほど前に県の公安委員会から案内のハガキが来たときは、免許更新のお知らせと形式がそっくりなので、今回は早いナなどと思っていたが、よく読んでみるとそうでないことがわかり、今度はこれを受ければ即更新ということになるのかとまた早合点したが、それも違った。要するに、高齢者に新たに付加された、免許更新のための前提条件なのだ。道路交通法の改正に基づき平成14年から実施されていたらしいが、よく知らなかった。

近頃は、高齢ドライバーの高速道路逆走、駐車場でのブレーキとアクセルの踏み違えなどのニュースをしばしば耳にするから、何らかの対策は必要だろうとは思っていたし、自分も、そこまでではなくとも若い時のようなわけには行かなくなるだろうから、ボチボチ気をつけなければいけないと思っていたところだったが、ハガキを受け取って、あゝとうとう、そういう年齢になってしまったかと、改めて実感した。

この講習が実際に行われるのは、公安委員会が委託した最寄りの自動車学校で、ビデオなどによる高齢者向けの安全運転の知識学習(免許更新のときに警察などで見せられるものとはまた違う)、自動車学校のコースを使っての運転実技チェック、シミュレーターを操作しての運転適性検査、そして動体視力検査など、タップリ3時間かかった。
当日会場に集まったシニアの面々は男女合わせて15人。最初に係の人(講師兼検定者)から、これは別にテストではないし、その結果が更新手続きに影響するわけでもないから、あまり緊張しないようにという説明があったが、どの顔も一様に難しい表情だった。
来年の1月までは辛うじて60歳台の崖っ淵にぶら下がっている自分が最若年(!)だったようで、この講習が2度目という方も何人か居り、80歳台の方も3人、最高齢者は何と88歳と言っていた。お腰がかなり曲がっていて、失礼ながら大丈夫なのだろうかと心配していたら、もう実際には運転せず、証明書代わりに免許を更新するのだとのことだった。

逆走や踏み違えなどは運転能力の低下以上の極端なケースだろうが、講師の話によれば、高齢になると誰でもやはり、心身機能の変化は避けられず、比較的単純な作業ならまだしも運転のように複雑な作業を同時に行う場合には、状況の認知、それに対する判断・操作の速さと正確さが、若い時にくらべるとどうしても低下するということだ。
視覚機能も加齢とともに変化して、静止視力の低下(いわゆる老眼)だけでなく動体視力はより急激に低下し、夜間・薄暮時の視力が落ちてきて、視野も狭まってくるという。

話を聞いて、講習の目的は、この知らず知らずのうちに忍び寄っている機能の衰えを、自分はまだまだ大丈夫と思っているシニアにも自覚させて意識的安全運転を心がけさせ、自分と他人の危険を未然に防ぐためなのだなと、まずは、頭でよく理解した。
そして、実際にコースに出て運転し、またシュミレーション・マシーンでさまざまな反応テストを受けてみて、これまでは自覚していなかった以前の自分との変化、染み付いていたクセなどもわかって、さらに納得した。

視力そのものは、動体視力も夜間視力もまだ30~40歳台レベルという検査結果が出たが、コース走行中に見通しのよい交差点で、徐行しただけで一時停止せずに通過したため、注意力不足を指摘された。一時停止の標識があったということだが、見落としていたのだ。
また、ハンドルの持ち位置も注意された。正しい位置は、時計の針の“10時10分と9時15分の間”と言われるが、自分の場合は左の手が無意識のうちに上に行く傾向があり、そのアンバランスが何かあったときに危険ということだった。
この、ハンドルの持ち位置と一時停止標識の件は、自分だけでなく、ほとんどの男性ドライバーが指摘されていたようだ。

アクセルとブレーキの踏み替えの機敏さ、すなわち“足さばき”は、単純反応検査(子供の飛び出しとか、対向車・横断車の出現などのそれぞれに対する反応)では平均をかなり上回る若者並みという数値がでたが、選択反応検査(上記のそれぞれが不規則に連続して出現してきた場合の反応)になると、とたんに平均値に落ちてしまい、総合的には“平均よりはやや良い程度”という結果に落ち着いた。

運転実技検定のようなテストではないとあらかじめ分かってはいても、他人の前でみっともないところを曝したくないとか、万が一、自覚していなかったとんでもない欠陥が見つかったらどうしようとか、つい、いろいろと意識してしまって、けっこう気疲れした3時間だったが、今まで家族以外の第三者的な目で自分の運転の評価を受けたことがなかったので、自分のためにはもちろん、家族のためにも良い機会だったと思っている。

自分はゴールド免許で、対象者としては最若年での受講なので、今回に限り5年更新になるが、その後は3年ごとになるそうだ。面倒なようだが、いつまでも運転を楽しむためにはそれも有難いと、前向きにとらえることにしよう。

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