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2006年11月 6日 (月)

秋なのに“早春会”?

実はこれ、“早稲田のキャンパスで青春時代を共有した仲間の会”という意味。早い話が我々の“クラス会”で、今年も、10月末の秋晴れの午後、大隈庭園内の完之荘に集まった。

5月の末に商学部で講義をしたので、早稲田はそんなに久しぶりというわけでもなかったのだが、その時には気がつかなかった高層ビルが庭園の木立ち越しに聳え、見慣れた景観がだいぶ変ってしまっていた。手前の大隈講堂の時計台が、改修とかでシートに覆われ、まったく見えなくなっていたせいもあって、余計にそう感じたのかもしれない。

卒業してからもう45年になるが、ここ20数回の会は、だいたい10月末から11月初旬にかけて、毎年欠かさず開催されている。けれども、40数人いたはずの級友は、生まれ故郷に戻る者も多くなり、3~4年前からは、出席者が20人を割るようになった。
欠席者からの連絡を読んでも、出席者の近況を聞いても、どこかしら具合が悪い、大病を患った、手術をした、闘病中、といった話が増えてきて、何の問題も無いという者はだんだん少なくなり、故人もすでに3人を数える。

何となくさびしい気がしないでもないが、もう、我々の人生は、そういう時期に差しかかっているのだから仕方がないのだろう。皆で一致した意見は、ここまで来たら、家族や他人に迷惑をかけながら生き永らえるような存在にだけはなりたくない、死ぬまでボケずにいて、コロッと逝きたいね、ということだった。

とは言えそれぞれ、まだまだ意気だけは盛んで、ゴルフ三昧や山歩き、趣味の俳句やスポーツ観戦、あるいはボランティア活動といった悠々自適の引退生活を送っている者も少なくないし、現役の家業経営者、弁護士、税理士、放送ディレクターなどもいる。自分も一応、マイペースながら今も仕事を続けているわけだが、そのことの幸せを改めて思う。

まあ、人それぞれ、どんな過ごし方をしようとその人の自由だし、悠々自適だろうと仕事だろうと、ここまで来れば好きでそうしているわけで、お互い悪くない晩年じゃないかと勝手に納得。自分なども、何も好き好んでスケジュールで自分を縛るような生活をしなくても良さそうなものと我ながら思うのだが、かといって何もしないで遊んでいろと言われたら、つまらなくて、かえってそれがストレスになって寿命を縮めてしまうかも知れない。

さて、開会から2時間もたつと、幹事を初め大多数はもうホロ酔い気分。だが、体質や健康上の理由から食事とお茶だけで済ませた面々は、まだ何となく物足りない。そこで一たん中締めとなって、隣のリーガロイヤル・ホテルのカラオケ・ルームに場所を移す。完之荘も今はホテルの経営なので、手回しよく一緒にリザーブしてあったのだ。

それぞれが勝手気ままに歌うのだが、この顔ぶれの時ばかりは周囲とのジェネレーション・ギャップを気にする必要がないので、唄は自然にあの時代を懐かしむものになる。だが、必ずしも同じ傾向の曲とは限らず、ある者は演歌やムード歌謡(これはもはや死語か?)だったり、またある者はうたごえ(これも死語?)ナンバーだったり、そして別の一派は横文字のアメリカン・ポップスだったりして、当時はあまりわからなかったお互いの青春時代の心のひだを、何となく垣間見た気がした。

自分は歌なら何でも好きだが、なぜか横文字の歌が多くなる。昔のポピュラー・ソングは、歌詞の発音やアクセント自体に音楽性があって、歌っていて気持ちがいいのだ。そう言えば、クラスが英語の授業を単位として編成されていたこともあり、他の科目の授業にはあまり真面目に出席しなかった自分も、英語の授業にだけは、ちゃんと顔を出していたっけ。

自分で言うのもなんだが、英語の授業では、今でも笑える落語のような思い出話がある。

フォークナーやヘミングウェイなどのアメリカ文学を専門とする、斉藤先生という方がいた。いつも厳しい授業態度で、我々学生達からはどちらかといえば畏怖されていたが、こともあろうにその先生の授業で、自分は友人3人分の代返を引き受けてしまった。
出席点呼の際に、自分を入れて4人分、いろいろと声色を変えて返事した積もりだったが、どうやら先生は、とうにお見通しだったらしい。

何人かが当てられた後に、自分が代返をした友人の名前が呼ばれたが、そういうこともあろうかとは思っていたので、バレていたとは知らずに、何食わぬふりで本人になり代わり音読と訳を行った。すると先生は、次も、その次も...、自分が代返した友人を指名するではないか! まさか、そこまで行くとは想定外で、焦りまくったが、最早と観念し、再々立ち上がってやりました。図々しくも! そして止めは、アア、自分本人の番。必殺の四連発で、さすがに教室は爆笑の渦。

やや間を置いて、斉藤先生は二コリともせずに言ったものだ。「キミはなかなか義理堅い男だな」と。 ただそれだけ。 
昔の大学の先生は何ともイキだった。

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