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2006年10月13日 (金)

シニア市場

“シニアとは俺のことかと爺い言い”

...という川柳があるかどうか定かではないが、これまで一般的に“高齢者”と呼ばれていた65歳以上の年齢層の人々を、近頃は“シニア”と呼ぶそうな。
自分などは、紛れもないシニアということになるが、なぜそう呼ぶようになったのかを自分なりに考えてみると、そこには、単に格好をつけてカタカナ語に呼び変えたということだけではなくて、ビジネスの新ターゲット市場としての認識があるような気がする。

最近の人口統計でも報告されているように、総人口に占める割合が20%を超え、しかもその八割以上が介護を必要としない元気な人たちとのこと。その上、カネもヒマもそこそこあって積極的に生活を楽しもうとしているとなると、これは、有望なビジネスの市場として見なさないわけには行かないだろう。自分のことを考えてみても、まあその8割には入っているのかなと思うし、そういう考え方はアリだろうと思う。

でも、いくら本人にその意識がなくとも、自分がどこかで事故に遭ったりしてニュースの種になったら、やっぱり、“高齢男性が...”とか“お年よりが...”とか、世間の決まり文句で報道されるのだろうなあ。何か、知られたくないことがバレるような感じでチョッピリ情けない気がするが、事実なのだから仕方がないか。

などという、たわ言はさておき、新ビジネスに目を転ずると、当然、この美味しそうな市場に着目している業種は、その数が増え、幅が広がってきている。「医療・介護」「保険・保安」「健康食品」といった老後を守るという発想のビジネスだけでなく、「旅行」「美容・フィットネス」「生涯学習」「ホームショッピング」といった、むしろシニア・ライフを積極的にエンジョイするという発想に立ったビジネスが、このところ増えているようだ。

ただ、ここに一つ問題がある。それは、これからの時代こういったシニア・ライフを楽しむためには、パソコンまたはケータイを通じてのインターネット操作は不可欠になってくると思うのだが、この世代にとってのIT環境は、必ずしも親切なものにはなっていないということである。この問題を解決しておかないと、新市場を十分に開拓してゆくことは難しくなるかも知れない。

たとえば自分自身のことを振り返ってみても、それは言える。自分は仕事柄、家にいる時は平均して7~8時間はパソコンの前に座っており、その半分ぐらいは、送られてくるメールを開いて詳細情報を読んだり、ウエブ上でキーワード検索をして調べものをしている、この年にしてはかなりのヘビー・ユーザーだが、実は、せっかく装備されているさまざまなコンピューター機能のごく偏った部分しか活用していない。
マニュアルを開いても、ビッシリ書かれた小さな字を見ると頭が痛くなり、読んでも用語の意味が理解できないことが多く、面倒になってしまうからだ。特に、ソフトウエアに関するインストラクションがわからない。今も、(ウインドウズだが)しばらく前に変更になったらしいアップデートのシステムにフォローできなくて、立ち往生している。

本やCDと違って、IT機器メーカーからオンライン・ショッピングするときも苦労する。7月20日にも書いたように、3年使ったパソコンのディスプレーがイカレてしまったので、ついこの間、同じS社のVの、テレビ受信機能付きスリムタイプというのを購入したが、先ず、注文するまでのステップが大変で、何度もカートを引っくり返しそうになった。

品物が届いてからがまた大変。家電と違って、ケーブルを接続して電源に差し込んだらすぐに使えるというわけには行かない。最も低価格のバージョンを選んだので、「オフィス」や「パワーポイント」はプリインストールされておらず、前のモデルに使っていたものを改めて入れ直さなければならずないし、データもすべて移し変えなければならない。
ディスクを差し込んでやってみようとしたが、まるでお手上げ。プリンターのソフトぐらいは自分でインストールしたことがあるのだが、とてもそんなわけには行かない。

結局また、忙しい長男を呼ぶ破目になったが、それでも、週末の二日を費やした。これでは、特別ITに強くない普通のシニアは、とても新たにパソコンを始めたり、古いパソコンを買い替えたりする気にならないはずだ。
逆に言えば、“買ってつなげばすぐに使える”といった家電並みの「簡単パソコン」が誕生すれば、どれだけ市場が広がり、波及効果でオンライン・ショッピングを初めとする各種の新産業が、どれだけ伸びることか。ケータイではすでに「簡単ケータイ」というものが考え出されて大ヒットしている。パソコンでも、どこかのメーカーが考えない手はない。

どうもITメーカーは、シニア市場の存在には気づいているかも知れないが、まだまだ、真に“市場の側から発想する”ということには慣れていないようだ。機能・使い勝手だけでなく、画面や紙面の文字の大きさ、用語のわかり易さなども含めてのことである。

パソコンは、高性能を追求するばかりが能じゃない。

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