« 八ヶ岳の短い夏 | トップページ | スズメバチの恐怖 »

2006年9月14日 (木)

銀行体質、メーカー体質

マーケティングの議論として、これほど顧客満足とか、CRMとか言われているのに、ある種の業界の人たちにはどうもそれが分かっていないらしい。チョッと景気が回復してきたからといって、いい気になっているのだろうか?いや、それならまだ望みもなくはないが、根っこのところに、どうにもならない企業体質があるように思えるケースもある。今始まったことではないけれど、それを改めて感じさせられることが、最近立て続けにあった。

銀行体質―ある信託銀行の場合

CRM(顧客との良い関係づくりのシステム)を導入したのは、銀行などの金融機関が最初だったと聞いているが、一体どこに、それが生きているのだろう?彼らがやっていることを見ていると、どうも、顧客のことを第一に考えて顧客との関係を親密なものにしようとしているのではなく、自分たちの立場がまず念頭にあって、顧客をそれに従わせようとしているように思えてならない。“管理”すべき対象を誤解しているのではないのだろうか?
もっとハッキリ言えば、銀行というところは、客が口座を開いて多額の預金をしようとする時には、どうでもいい日用品などをくれて、揉み手をするが、その預金を客が何らかの目的で動かそうとする時には、とたんに態度が変わって、偉そうにアレコレ上からものを言う(同じ人物がというわけではないが)ということだ。こちらは客のはずなのに、何を勘違いしているのか、客を客とも思わぬ対応をされたことは、我が家の場合でも一度や二度ではなく、一行や二行にとどまらない。
都市銀行、信託銀行、証券会社...よくもまあどこもそうしてくれると思うほど、なぜか我が家では、不愉快な目に遭う(その1例は2~3年前にも連載していたウエブ・エッセー「中澤功のカウンターの片隅から―第2話」に書いている)ことが多い。

自分は本来、銀行・証券などでの財形にはとんと疎いし、まだ独り者のせがれ達も、仕事に忙しくてそんなことに気を回している余裕もないので、我が家ではその方面の管理は、実質的に、経理エキスパートの家内が一手に引き受けてくれている。いつも自宅まで来てくれる各行の営業担当係員も家内とは永年の顔なじみで、その辺の家庭事情もよく飲み込んでおり、家族の誰の名義であろうと、預金をするときには何の問題も起こらない。
だが家内が、電話や窓口で、家内本人の名義でない預金の現状変更をしようとすると、とたんに事が難しくなる。引き出しはもちろんだが、満期での更新とか利子の振込みなど、ごく事務的な依頼も、本人直接でないとできないというのだ。とうに証明済と思っていた、我が家の銀行取引代表者である家内の信用が、意味を持たなくなってしまうのである。

ごく最近も、家族名義の預金を、名義人本人の代理で家内が、運用のために別行へ移し変えようと本人の委任状を持って、隣駅にある某信託銀行の窓口に引き出しに行ったら、たった一字、日付があらかじめ記入されていないということで突き帰され(その場で記入した方がいいと思いあえてブランクにしていたのだが)、本人に記入させて出し直せと言われた。でも、そこまではまだ、何と形式ばって...と内心は思いつつも、やむなく引き下がらざるを得なかったが、突然、信じられないことが、家内の目の前で起こった。

それまでも意地の悪い対応をしていた窓口の女子係員が、いかにも当てつけがましく、目の前で、家内が記入した手続き申請用紙を無言でビリビリッと破り裂いたのだ。いくらなんでも、それはないだろう!出直して来たときに、手続き用紙も改めて書き直す必要があるにしても、この場では、「失礼ですが、それではこちらは廃棄させていただきます」ぐらいは言うのが当たり前ではないのか?さすがに腹に据えかねて家内が咎めたら、上司らしき男が飛んできて平謝りしたというが、この銀行の形式主義体質には、改めて呆れ果てた。

というのは、以前にもこの銀行には、考えられないような対応を受けたことがあるからである。自分名義の口座の預金が満期になったので、家内がテレホンバンキングの制度を利用し、自分に代わって契約延長の手続きをしてくれようとした時のこと。乱数表を見ながらの応答をはじめ、暗証番号、パスワードなど、預金に関するあらゆるID確認に答えたのだが、その時の電話応答係の女性は、口座が男性名義になっているから、女声での電話ではダメだというのだ。そこで家内も、怯まず聞き返した。「主人は今ここにいて、電話に出ようと思えば出られますが、それをどうやって主人だと確認できるのですか?」と。
そしたら相手は、何と言ったと思います?「声紋でわかります」だと。オイオイ、私ぁ一度もその銀行に電話したこともないし、声紋などとられた覚えも登録した覚えもない。デタラメを言うのもいい加減にしろと、今度は自分が怒り心頭。電話を取って代わり、責任者に釈明を求めた。だが、当方も、時間を費やして徹底的に追求するだけのエネルギーを保ちきれなかったので、ひたすら平謝りされているうちにウヤムヤになってしまった。

最近は、いろいろ銀行預金がらみの不祥事が多いから、セキュリティのためにこういう内規を設けているのだろうが、よく考えてみるとこれは、顧客を保護するためというよりは、何かあったときに銀行側の責任を回避するためのように思えてならない。
それよりも先に、もっと当たり前のこと――つまり、礼儀正しく、謙虚で、デタラメを言わないという行員意識――を徹底させ、顧客を疑ってかかるよりは、顧客を信頼するためのシステムをつくり、その情報を全行で共有する方が、顧客との信頼関係が強まって、結果的に銀行が護られることになるのではないかと思うが、どうだろうか?

メーカー体質――新車購入後日談

6月19日のブログに、6年ぶりの新車購入の経緯を、その自動車メーカーやディーラーに好意的に書いてしまったが、その後、やや月遅れの1ヶ月点検を頼もうとしたとき、その好意は自分の買いかぶりだったと思い知らされ、つくづく失望させられた。車そのものにではないが、その企業グループとしての体質にである。

8月2日のことだが、6月4日の納車からもう2ヶ月近く経ったので、そろそろ最初の点検を受けようと思っていたところに、ディーラーから、「夏のお客様感謝デイ~8月5・6日 行ってらっしゃい編/8月19・20日 おかえりなさい編」という案内が送られてきた。
何か特典もあるらしいし、翌週あたりでも山荘へ出かけようかと思っていたところだったので、これは丁度良いと思い、5日の予約を申し込もうと、購入した国道246号線沿いのA台店の担当営業マンに電話した。ところが、5日は土曜日で予約は受けられない、翌日6日も日曜日だから同じくダメというので、3日あるいは4日のウイークデーならどうか、何なら本日2日、これからでも良いがと尋ねたが、それもダメ。車を持って行って、何時になるかわからないが順番を待ってもらわなければならないという。

前車もこのディーラーで、いつも定期点検は予約制になっていたはず。送られてきたパンフレットを読み返してみても、どこにも、キャンペーン期間中は予約は受け付けられないなどとは書かれていない。こちとらも、車をディーラーに持ち込んで、いつともわからない順番を待っていられるほど暇ではないので、それじゃあ「行ってらっしゃい編」はあきらめて、19・20日の「おかえりなさい編」ならばいいかと聞くと、これまたダメ。その後の週も予約は受けられないと、取り付く島がない。

このSグループ(前のブログで車名を明かしているから会社名をイニシャルにしても意味がないが)は、毎年のことだがメーカーもディーラーも一斉に、8月の一番ハイなシーズンに2週間の夏休みをとる。ために、前車でも、彼らの夏休みの直前に不具合が生じたときには、ディーラーから素気ない対応を受け、えらく困ったことがあった。
そのときの顛末は、前段で引用したウエブ・エッセーの第4話に書いているが、今回もまったく同じタイミングだったので、そちらが夏休みの間、点検を受けられないまま走って何かあったときに、客はどうすれば良いのかと聞いてみた。すると、「JAFにでも頼んだらどうか」「自分にどうしろというのか」という言葉が返ってきた。まるで自分の顧客だという意識がない。点検の予約申し込みに対する返答にも、「客にも都合があるのだろう」という慮りや、「内部で相談・検討してみましょう」と一旦あずかる機転もない。

売り込むときには、いかにも誠実そうな態度だったので、ついブログで好意的に書いてしまっただけに、やっぱりこのグループの企業体質は変わっていないと、だまされたような気持ちがして、二倍腹が立った。

担当営業というものは、売るときだけでなく、納車してからも、何かと自分の客のために親切に対応してくれるものと思っていたが、どうもこのグループはそうではないらしい。これは、製品に自信を持ち過ぎて顧客の気持ちに疎くなっているメーカーの体質のせいか?それともディーラーには、新車販売成績最優先で顧客維持にはあまり力を入れない空気でもあるのか? 

ともかく、担当営業と話していても埒が明かないので、一旦電話を切ったが、そのままでは現実問題としても困るので、改めて店長に電話して点検の予約を申し入れたら、報告は受けていたらしく、担当営業の対応の不適切さを詫び、結局、最初の希望通りの日時に予約して、無事点検を済ませることができた。そして今後は、店長自身とフロントが窓口になって、何事もキチンとカバーするということで、一応、話は落着した。

だが、前車と今回と、2度にわたって同じような対応を経験し、このグループに対する当方の不信感はいや増してしまった。車自体は、まずまず気に入っているのに、こんなにうんざりさせられる目にあって、3度目まで我慢する気持ちは、もはや薄らいでいる。

それから、グループ一斉の夏休みも、もう少し何とかならないものなのだろうか?メーカーとディーラーの休みをずらすとか、休み中のサービスをどこかに委託するとか...。自動車会社は、製造業・販売業だけではなくて、サービス業でもあることを、自覚して欲しい。
そして、ES(従業員満足)を最優先に考えるあまりCS(顧客満足)をないがしろにすると、いつか足元が崩れかねないことに、気がついた方がよいと思う。

|

« 八ヶ岳の短い夏 | トップページ | スズメバチの恐怖 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 銀行体質、メーカー体質:

» お腹にやさしい 小型犬・中型犬の成犬用ニュートロ ナチュラルチョイス(成犬用) センシティ... [激安直販]
おもしろいブログですね! [続きを読む]

受信: 2006年9月14日 (木) 11時29分

« 八ヶ岳の短い夏 | トップページ | スズメバチの恐怖 »