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2006年2月 1日 (水)

メルマガとは何ぞや?

仕事柄、Eメールにはたいへん恩恵を受けている。依頼を受けた案件についての質疑や確認、打ち合わせの日時・場所の取り決めなどはもちろん、特に、執筆した原稿の送稿には、ファイル添付という機能のあるEメールほど便利なものはない。執筆活動に本格的に身を入れるようになった頃からパソコンを使い始め、追いかけてインターネットが普及してきたお蔭で本当に助かっている。でも、実を言うとまだ、ペンを握って紙に向っている時の方が、スクリーンを睨んでキーボードにタッチしている時よりも、頭の中で考えたことがそのまま指先に伝わってくる気がする。やはり、根本的にアナログ人間なのだろう。

個人的にはそんな欠かせぬ存在になっているEメールなのだが、企業が商業目的で送ってくるEメールには、いささか疑問がある。広告メールと総称され、本来いろいろなタイプがあるが、ここで言っているのは、いわゆる“メルマガ”のことだ。
ここ2~3年、仕事上だけでなく個人生活上でもかなり活動範囲を狭めてきている積りだが、それでも、何らかの関係にある国内・国外の企業や団体から送られてくる定期的なEメール(すなわちメルマガ)は20を下らない。使用しているコンピューターのソフトおよびハードのメーカー、加入しているインターネットのプロバイダー、会員になっているクレジットカードやマイレッジカード、所属している業界団体、仕事で関係のあるマーケティング・サービス会社や出版社、契約している保険会社、そして書籍その他を購入したことのあるオンライン・ショップなどから、「○○マガ」「××マガ」「△△マガ」と称するEメールが連日のように送られてくる。
インターネット・マーケティングについて書いたり語ったりしている手前、参考のため一応、どんなメルマガも必ずチェック・観察させていただくことにしているが、毎日すべてをまともに読んでいたらそれだけで半日はかかってしまうので、まず見出しとトップページを一瞥して、もう少し読み進めようかと思うものとそうでないものを峻別してしまう。これだと、そんなに時間がかからない。幸か不幸かその中に、興味をそそられ、読んでみようと思うものが、正直言って極めて少ないからだ。

読みたくならないものは、次のどちらかの理由に当てはまる。一つは、そのコンテンツが的外れなもの。企業が自分の一方的な都合で知らせたいこと、売りたいものの情報を送ってくるだけで、受け手のプロファイルや関心レベルに無頓着なのである。読者である自分に対して“パーソナライズ”していないということだ。私はインターネットを使っているからといって別にITオタクではないので、やたらバージョンアップだ新製品だと言ってこられてもチンプンカンプンで面倒くさいだけだし、美しいボディーを追求しているわけでもないので、ヌーブラやエステをトップページで勧められても困る。
もう一つは、情報の量と種類とその提示のし方。インターネットは情報量に制限がないからといって、数打ちゃ当たるとあらゆることを盛り沢山に入れ込むのはいただけない。チラシやカタログの感覚をそのままネットに持ち込んで情報をギュウギュウ詰めにし、その上“リンク”というインターネットの特性をやたらと使っているのは見た目にうるさい。チラシもカタログも、印刷メディアである故の物理的特性が有効に作用するわけで、それが限度あるサイズのバーチャルなスクリーン上でもそのまま通用するわけではない。折角手をかけ画像をふんだんに入れたHTMLのメールをつくっても、あれもこれもと訴求するとどれにも目が行かなくなるし、誰が始めたか日本的メルマガ独特のレイアウトで、箇条書きとリンクの青文字が記事とは言い難いかたちで並ぶシンプルテキスト・メールもうんざりだ。訴求したいポイントは絞り込まなければ伝わらないと思いますよ。

自分でもその言葉を使っていながら何だが、そもそも“メルマガ”とは何ぞや?メールマガジンの略であることぐらいはわかるが、Eメールの本家アメリカの用語辞典を見てもどこにも載っていない(英語の意味としても変だから当然だ)。e-Zineはあるが、ちょっとニュアンスも実態も違う。独断するに恐らく、“e-ニューズレター”を日本流に焼き直したのではないか。その際、言葉だけにしておいてくれればよかったのだが、概念や目的まで翻案してしまったようだ。ニューズレターは本来、見込み客を顧客化・メンバー化するため“対象を個として意識”しつつ“送り届ける”重要な“マーケティング・ツール”だったはずだが、メルマガとなって、ストレートな販売や一方的な企業情報告知をするための、“対象を必ずしも個として意識せず”に“配信”する、“広告ツール”になったようだ。

思わず独りで力んでしまったが、この話は、自分のインターネット生活における個人的感想というだけではなく、企業のマーケティングでEメールをどのように位置づけ活用すべきかという問題に行き着くと思う。一度、改まった場で、いろいろな方の見解を聴きたいものだ。

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コメント

従兄弟の節子です。
ご無沙汰してます。
お元気に 活躍うれしく思います。
プログ 楽しみに拝読してます。
お元気で。節子。

投稿: 佐藤 節子 | 2006年2月 1日 (水) 22時06分

SPAM避けのためダミーアドレスで失礼いたします。
本コラムは耳の痛い話が満載ですね(特に今回のコラム…;)

耳の痛いで思い出しましたが、先日珍しくテレビをみていたら吉本新喜劇の「藤山寛美」さんという芸人さんの娘さんへの教えにこんなものがあったそうです。

「これから先の一生にお前は最低3人は、たまらなく憎たらしい!と思う相手に出会うだろう。その人がお前を成長させてくれる人です。だから感謝しなさい。自分を成長させのは誉めてくれる人じゃない、厳しく叱ってくれる人です」

なるほど私の周りには厳しく叱ってくれる方たちが溢れており、それぞれ「なんてにくたらしい…!><;」と思うことも多い(先生はにくたらしくないですよ!!)ので覚えておこうと思った次第です。

これからも耳の痛いコラムをたくさん書いてください。マゾヒスティックに楽しみにしております^^

投稿: Betty | 2006年2月 9日 (木) 12時56分

決してBettyさんをいじめようと思っているわけではありませんよ。期待の現れとご理解ください。
えっ?小生のことではなかった?
なら安心です。

投稿: 0222 | 2006年2月10日 (金) 12時27分

期待の現れ、期待の現れ(繰り返し)

…がんばります…… ;

投稿: Betty | 2006年2月18日 (土) 00時18分

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